働き方

こどもが主役のキッザニアでママの就業サポートがスタートする理由とは

投稿日:2016年11月9日 / by

なぜキッザニアが大人の就業支援をするのか

主婦が再就職のために就業支援のカウンセリングを受ける。こうした場面は、珍しくないだろう。だが、その場所が少しばかりユニークだ。実はここ、こども向けの職業・社会体験施設「キッザニア」の一角のマルチスペース。こどもの職業体験の待ち時間を活用し、ママも就活への一歩を踏み出しているのだ。

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同所では、保護者がこどもに帯同し、こどもが仕事体験をしている様子を見学することも少なくない。だが、リピーターになると、こどもが仕事体験している間の待ち時間も発生する。そのための保護者専用のラウンジを用意し、お笑いライブなどの鑑賞イベントを開催するなどもしているが、今回のような参加型の取り組みは珍しいという。今回の「女性の就業支援カウンセリング」は、キッザニアを運営するKCJ  GROUP(株)と人材採用に関する総合サービスを提供するリクルートジョブズの共同企画として実現した。

その狙いをリクルートジョブズの宇野百合子氏は、次のように説明する。「弊社の調査機関、ジョブズリサーチセンターが実施した調査(2013年12月)によると、子育て中で仕事に就いていない専業主婦のうち、86.2%は就業意向があります。その復帰時期は、幼稚園もしくは小学校に通い始める時期が多く、キッザニアにご来場いただく時期と重なります。一方で、専業主婦の方は再就職へ向けた不安度が高く、なかなか踏み切れない。そこで一歩踏み出すきっかけになれば、という思いからこの企画が実現しました」。

主婦の潜在意識を刺激し、再就職へのハードル下げる

専業主婦が再就職で感じる不安の2大要素は、「ブランクの長さ」と「育児との両立不安」。そこで、子育て中はなかなか機会がない“就活”へのサポートとして、こどもと過ごす時間の中の隙間時間を有効活用すべく、就業支援をサポートする“キッザニア出張所”が臨時オープンしたというワケだ。親子が仕事について考えることにつながる取り組みは、2016年10月に10周年を迎えたキッザニアにとっても新しい試みとなる。

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隙間時間とあって時間は限られているが、専業主婦の再就職への思いを刺激するメニューが用意されている。まずは適職診断。簡単な性格診断でどんな仕事が向いているかをイメージすることで、再就職を考えるきっかけを作る。その上で、ライフプランや将来のこどもの教育費を見据えたライフシミュレーションを行い、今後どれくらいのお金が必要かを実感。再就職の時期や働き方をより具体的にイメージしてもらう。リクルートジョブズが委託したキャリアカウンセラーによる相談ブースも設置しており、仕事と子育ての両立など再就職への悩みを聞いてもらったり、仕事の探し方や今後の道筋などを助言してもらえる。

カウンセリングを終えた専業主婦の一人は「このままいくと赤字になるので、改めて『働かなくては』と思った。1年後に仕事探しを始めます」と再就職への意識が高まったことを明かした。宇野氏は、専業主婦に限らず就業中の主婦の利用も推奨する。「現在働いている主婦の方でも、このまま働き続けるかを悩まれているケースは非常に多いです。辞めた場合に収入がどう変わるのかをシミュレーションすることで、今のまま働き続けるのか、働き方を変えるのかなどが明確になります」とアドバイスする。

日本は出産を機に退職する女性が依然多いが、一方で社会との繋がりの維持や経済面など、働くことで得られる様々なメリットがあるとの声もある。だからこそ、女性が出来るだけブランクなく働き続けること、一度辞めてしまってもブランクが長くなってしまう前に再就職することを選択肢の一つとして考え、一歩を踏み出せるようなきっかけづくりが大切となる。

リクルートジョブズでは、リクルートグループで推進するはたらく育児応援プロジェクト「iction!プロジェクト」の一環として、同所での就業支援を来春まで月1回ペースで実施。効果検証しながら、オンラインでサービス提供することなど、子育て中の主婦が手軽に利用できる形を模索し、働くことと育児の無理のない両立支援を追求していく。

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