働き方

日本最大級のQ&Aサイトが開発したAIエージェントの実力は?

投稿日:2016年11月9日 / by

膨大なQ&AデータとAIが生み出す検索ではない「回答」

Q&Aサイトの国内のパイオニア「OKWAVE」を運営する(株)オウケイウェイヴが、自社開発のAIエージェント「あい」の提供を2016年11月10日から開始する。同サービスは、AI技術を用い、利用者の質問に最適な回答を提示するもので、いわゆる検索とは一線を画す。まずは、「美容・健康」の分野からサービス提供を開始する。

okwave1

Q&Aサイトの「OKWAVE」を立ち上げて17年。蓄積された質問および回答は、3,500万件以上。すでにユーザーにも認知された、お困り解決サービスの定番だ。ここに、AI技術が融合することで、ネット検索とは異なる「最適な回答」を提供する「あい」が誕生する。

「目覚ましい進化を遂げる人工知能。その解析力などで知識表現はできるが、温かい心だけは表現できない。我々には、互いの助け合いの心からのアウトプットとしてのQ&Aが3,500万件以上ある。これをAIと融合することで検索では実現できない人に近い温度感の回答が可能になる」と同社兼元謙任社長は、開発の経緯を明かす。

一般的なサーチエンジンは、検索キーワードに対し、マッチした検索結果を機械的に表示する。一方、「あい」では、過去の質問、回答を意図、概念化し、知識として格納。映画やシネマ、ムービー等を同一のもとして概念化し、それにより、映画の概念に近い音楽、マンガなどにも辿り着く。この辺りは機械的な判別ではともすれば無駄であり、困難だが、人間同士のQ&Aから生まれたデータだけに、微妙なニュアンスの違いを見分ける繊細さがある。

気になる実力は?

果たしてその実力はどうなっているのか。一足早く試す機会があったので、さっそくチェックしてみた。まずは流行の糖質ダイエットについて、「糖質制限ダイエットは何がいいの」と質問欄へ文字を打ち込んでみた。その結果、すぐに糖質制限の説明と有効な取り組み方を教える内容の回答が表示された。「頭痛を緩和したい」と質問にも、頭痛の種類から具体的なケア法までしっかり解説。リアクションも早く、なかなかの実力だ。
okwave

ちょっと意地悪な質問もしてみた。「膝が痛くて走れない」と打ち込むと、瞬時にひざ痛の原因や対処法を教えてくれる回答が表示された。走れるようになるための回答ではないが、ひざ痛を回復するには十分な内容で及第点。「寝起きが悪くてつらい」という質問には、「あまり一人で抱え込まないでくださいね。身近な方も、相談してもらえると意外と嬉しいものですよ」とピンと外れの回答が返ってきたが、これは「つらい」という言葉に反応したのかもしれない。

現状では美容健康分野のみの対応だが、検索ではできない回答をするという触れ込みはあながち大袈裟でないといえそうだ。今後は段階的に全分野を網羅する予定で、企業での活用も積極推進していくというが、比例して、誤差が改善され、音声対応も装備されれば、いわゆるネット検索に代わる手軽なお悩み解決ツールとして、面白い存在になりそうだ。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について