働き方

国内初公開されたアマゾンの出入荷ロボの実力とは

投稿日:2016年12月6日 / by

無駄なく商品の出入荷を遂行するスマートロボ

まるで巨大ルンバの大行進だ。倉庫の床を這うように規則正ししく動くその姿は、アノお掃除ロボを想起させる。その正体は、Amazon Robotics(アマゾン ロボティクス)。2016年8月からアマゾン川崎フルフィルメントセンター(神奈川県川崎市)に国内初導入され、稼働していたが、12月6日、初めて公開された。

robotics

高さ約40センチ、重量約145キロの同機は、秒速約1.7mで走行。積載可能重量は約340キロだ。これを本体とし、可動式の商品棚と合体することで、商品の出入荷を実行する。整列しながら次々と商品棚の下へ潜り込み、指令に従い、商品分別担当者の場所を往来。重い荷物を無駄のない導線で軽快に動き回り、作業の効率化を実現する。

これまでは人間が商品の場所へ移動し、ピックアップしていたが、“棚”自体が動いてくれることで、労力を集約でき、人の作業は大幅に軽減される。ドイツ銀行のレポートでは、こうした効率化などで、倉庫運営費の約20%の低減が可能と試算されている。

ロボット化の侵攻は悲観する話ではない

もっとも、導線設計のしやすい倉庫でのロボット導入は、アマゾンの物流戦略においては、まだほんの序の口。今後は、すでに試験段階のドローンによる空中配送、さらには自動運転カーによる宅配も十分実現の可能性がありそうで、アマゾンの革新的物流革命はまだまだ続きそうだ。

こうなると、ロボットによる人の職業侵食への懸念も出てきそうだが、日本では物流部門の人手不足は深刻な状況にある。アマゾンによるロボット化はむしろ、物流の効率化と物流費の高騰抑制に貢献こそすれ、仕事を奪う脅威とはなり得ないだろう。

アマゾンジャパン合同会社 社長で物流およびカスタマーサービス事業を統括するジェフ ハヤシダ氏は、Amazon Roboticsの導入について次のように見解を明かす。 「川崎 FC で『Amazon Robotics』を導入したことにより、さらに高い配送品質でお客様に商品をお届けできることを大変嬉しく思います。『地球上で最もお客様を 大切にする企業であること』というビジョンに基づき、引き続き物流体制の強化に努めることで、より快適なオンライン ショッピング体験を提供したいと考えています」 。

初公開されたこの日は、『サイバーマンデー ウィーク』のスタート初日(~12月12日)。年間で最もショッピングが盛り上がる期間だけに、川崎FCでのAmazon Roboticsの動きもいつも以上に活発になるハズだ。ロボットが忙しくなるほど、社会は豊かになる。今後、人間の代替労力として、ロボットが活躍するシーンはどんどん増えそうだが、その転換は、気づかないうちに静かにゆっくりと自然に行われることになるだろう。

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