働き方

休日出勤分の“残業代”は代休でチャラになっちゃう?

投稿日:2020年9月24日 / by

土日出勤で残業代がもらえることさえよく知らなかったが…

普段は平日勤務の方であっても繁忙期など急な事情がある時には土日に出社する必要がある、という会社員の方も多いのではないでしょうか。こういった場合、後日「代休」を取得して代わりにどこか平日に休みを取ることもしばしばあると思います。

一方、実は、労働基準法で「休日出勤は、規定業務時間外の“残業”とみなされる」「会社は、社員に残業をさせた場合には、残業代(割増賃金)を支払わなくてはならない」と定められています。

ここで迷うのは、代休が与えられたら土日に出社したことによる残業代はチャラになってしまうのかどうかということ。法的にどうなっているのか、調べてみました。(powered by シェアしたくなる法律相談所

Q.代休を取得したら割増賃金は出ない?

“休日出勤と残業代の関係”

A.事後的に取得する「代休」の場合、割増賃金の支払いが必要になります

原則として、土日が休業日となっている会社で、その土日に出社する場合は「休日出勤」となりますので割増賃金(残業代)の支給が必要です。が、例外として代わりとなる休みを与えれば会社側は割増賃金の支給を支払う必要がなくなります。

その「代わりとなる休み」とは代休ではなく、「振替休日」というものになります。振替休日とは休日出勤の「前日」までに振り替えて休日とする日を「指定」して取得させる制度です。

振替休日と勘違いされがちな「代休」ですが、こちらは休日出勤が行われた「後」にいわば事後的に休日を与える方法です。この事後的に休みを与える代休の場合、休日出勤をした日に関しては割増賃金を支払う義務が会社に残ることになるのです。

そのため、休日出勤を命じられた場合、事前に「振替休日」が与えられるのか、事後的に「代休」が与えられるのかによって割増賃金の有無が変わることになるのですね。
もし、与えられたのが代休であれば休日出勤をした日について割増賃金を請求することができます。

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*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。


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