働き方

産休後に復帰したら降格扱いに!これ違法では?

投稿日:2021年3月18日 / by

女性蔑視が炎上する昨今だけど、これもやはり法的にNGなのでは?

或る方の或る発言をきっかけに男女平等問題が注目を浴び、SNSでも「#男女平等」「#dontbesilent(沈黙しないで)」そして「#わきまえない女」といったハッシュタグが話題になっている昨今です。こうした問題にも深く関わるのが出産をされる女性の職場環境。産休や育休の取得に関わる問題がしばしば発生しているようです。

日本には「労働基準法」および「育児介護休業法」があり、産前産後休業・育児休業を取得することが権利として認められているため、働くお母さんのほとんどが産休・育休を取得しているかと思います。

しかし、産休・育休から復帰しようとしたらそれまで就いていたポジションから降格扱いにされるケースがあるようです。これは合法な取り扱いなのでしょうか?調べてみました。(powered by シェアしたくなる法律相談所

Q.産休・育休から復帰したら降格……違法では?

産休明けに降格された!

A.妊娠・出産・育児休業などを理由として労働者に不利益を科すことは「違法」です。

男女雇用機会均等法という法律で、妊娠・出産・育休などを理由に不利益な取り扱いを行うことは禁止されています(いわゆる「マタニティハラスメント」の禁止です)。

この法律によれば、解雇や雇止めはもちろん、育児休業から復帰して時短勤務をしていることを理由に賃金の引き下げや降格を行うことは許されないとされています。

よって、法律上の大原則としては産休・育休から復帰したとしても同一賃金・同一ポジションで復帰させることを会社に要請しています。

ただし、これは「妊娠・出産・育休など」を理由とした不利益な取り扱いが許されないとされているに過ぎないため、理由を問わず、会社の制度として時短勤務をする者(フルタイム勤務ができない者)は役職を解く、というようなものが制度化されていれば、それは「育休等」を理由とした不利益取り扱いには該当しないため、違法にはなりません。

あくまでも降格が育休などを理由として行われているという因果関係が認められる場合にのみ、法違反と判断されることになるとのことです。

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*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。


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