働き方

給与明細を見たら何かやたら天引きされていて、腹立つ

投稿日:2021年5月6日 / by

社会保険料や税金はまだしも、それ以外の天引きも多くて腑に落ちない…

新入社員の方も、もうすでに初任給を手にされた方が多いのではないでしょうか?

給与明細を見ると、社会保険料や所得税など、様々な天引きがなされていて、思ったより手取り額が少ないなと感じている方もおられると思います。

ただ、保険や税金の天引きならまだしも、なんだかよく分からない天引きがされている場合、それが合法なものであるのかチェックした方がいいかもしれません。(powered by シェアしたくなる法律相談所

Q.保険料や税金以外を勝手に天引きするのは違法じゃないの?

給与から天引きが違法になる場合

A.会社と従業員代表とが合意をしていれば、あなた個人が同意していなくても天引きは合法になります。

法律上、社会保険料や所得税、住民税については従業員に同意を得なくても、会社はこの金額を給与から控除することができます。

ただし、それ以外の金額、例えば社員旅行の積立金などを天引きするためには、会社と従業員代表が「労使協定」というものを締結しなければ、天引きは違法となります。

ですので、この労使協定さえ締結されていれば、残念ながらあなたが天引きを拒んだとしても会社としては合法に給与天引きができるということになります。

しかし、裏を返せば労使協定を結んでいない費用、例えば研修費用や事務用品の購入費用などを勝手に天引きすることは違法になります。

給与明細になぜ天引きされているのか分からない項目があれば、労使協定がちゃんと締結されているのか会社に確認をしてみることをお勧めします(労使協定が締結されていない場合、天引きは違法になるためその金額の返還を求めることができます)。

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*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。


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