働き方

口約束で請けてた仕事が突然中止…これ訴えたい!

投稿日:2021年10月14日 / by

フリーランスの仕事とか、副業・兼業時代には、とてもあり得るトラブルです

仕事は大概、雇用主と請ける側で契約書が存在するもの。とくに契約社員やフリーランスで仕事をしている場合は、雇用期間の定めやなどを事細かに文書にしておくのが本筋です。

しかし業務によっては、実際には「じゃあお願いしますね」などと、口約束で仕事を請けることがしばしばあります。フリーライターのBさんもその1人で、ある業者から口頭による執筆依頼をうけ、記事を書いていました。

ところが、5ヶ月程度経過したある日、突然「執筆依頼を停止します」とメールで告げられ、以降何の説明もなく連絡も取れなくなったそうです。

Bさんはその収入をアテにしていただけに、納得のいかないものを感じているそうです。なんとかならないのでしょうか? ピープルズ法律事務所の森川文人弁護士にお伺いしました。(powered by シェアしたくなる法律相談所

Q. 口約束でしていた仕事を突然「無し」にされた。不当性を訴えることはできますか?

口約束の仕事の契約破棄

A.契約の存在やその期間を証明できれば、不当性を訴えることができる可能性もあります。

森川弁護士「ライターへの原稿依頼は、委託契約だと思います。民法でいう請負に近い類型です。口頭でも契約は可能です。口頭契約の問題は、証明の問題です。

契約の有無・内容につき当事者間で争いになった場合に、書面があればともかく、口頭の時には立証が困難です。委託が継続していたという実績自体、一つの証明材料にはなると思います。

原稿のやりとり、委託料の振込等の痕跡などでその「実績」は示せるでしょう。それにより「契約の存在」を証明したうえで、いかなる場合に解除できるかですが、請負と解釈できる場合であれば損害を賠償しなければ解除はできません(民法637条)。仮に委任だとしても同じと解釈することができます。

ということで、その旨伝えて、交渉ということになるでしょう」

口頭だけに契約の立証ができるかどうかが争点となるようです。Bさんに限らず、フリーランスの場合口頭契約が続き、収入の柱になっているケースが少なくありません。

やはり仕事を請ける際にはなんらかの書面を残しておいたほうがいいかもしれません。

Bさんのようなケースになってしまった場合は、契約の存在やその継続性や期間を証明できるものを集めたうえで弁護士に相談するなどし、対策を考えましょう。

▽オリジナル記事はコチラ

◆関連記事
フリーランスへの悪質な「無報酬」オファー 対抗する方法は…
引き受けた業務委託の仕事が時給換算したら300円…これも仕方がない?
何度も契約が更新されていたのに突然の雇止め…これって有効?

*取材協力弁護士:森川文人(ピープルズ法律事務所。弁護士歴25年。いわゆる街弁として幅広く業務を経験。離婚、遺産相続をはじめ、不動産、 慰謝料・損害賠償請求、近隣トラブル、借地借家、賃金、インターネット問題、知的財産権などを扱う。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)


読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について