働き方

半日だけ休日出勤。代休や振替休日はもらえるか

投稿日:2022年9月1日 / by

代わりの休みも半日になるのかどうか、そして残業代はもらえるのか

通常は平日勤務で土日休みの会社員でも繁忙期や行事があるときにはどうしても日曜日などに休日出勤をしなければならないことってありますよね。

この休日出勤をしたとき、会社によって処理の仕方は様々で、休日出勤として残業代を支払って済ませたり、「代休」や「振替休日」を与えたりすることがあります(中にはサービス休日出勤というブラックなケースもあるかもしれませんね……)

そもそもこれらに違いはあるのでしょうか? また、どの取り扱いもちゃんと適法な取り扱いなのでしょうか?(powered by シェアしたくなる法律相談所

Q.代休ってそもそもどんな時にもらえるもの? 振替休日との違いは何?

半日だけの休日出勤の代休や振替休日

A.代休とは休日出勤をした「後」に代わりの休日としてもらえるもの。振替休日と異なり、代休を取得しても休日出勤をした分について残業代を請求することができます。

上記でも触れたように、休日出勤(法定休日)をした場合の適法な取り扱いとしては以下の3つが考えられます。

(1)割増賃金を含めその日働いた分の賃金を全額支払う
(2)代休を与える
(3)振替休日を与える

このうち(2)と(3)の違いが勘違いされがちですが、「休みがどのタイミングで決まったか」で代休なのか振替休日なのか区別されます。

休日出勤をする前に事前に代わりの休みが特定されていれば「振替休日」、特定されず事後に休みを取れば「代休」になります。

ちなみに、この2つの最大の違いは「割増賃金」の有無にあります。事前に休みが決まる「振替休日」はその休みが与えられれば割増賃金の支給は不要なのに対し、事後的に休みを与えた「代休」については、休日出勤で働いた時間の分だけ割増賃金(35%)の支給が必要(そして代休を取得した日の分については、これは労働が発生していないので、その日の賃金は無し)ということになります。

休みの取り方は「会社の決まり」と「自分の判断」で決めること

なお、休日出勤が半日で済んだ場合の振替休日、代休については特に法的な定めはないため、代わりの休日はやはり半日としても問題ありません。会社が就業規則などでどう定めているかで判断されることとなります。「半日単位」での振替休日や代休の取得を認めている会社も少なくありません。(ただし、その場合でも代休であれば割増賃金分の支給は必要となります)。

また、会社がそうした代休の取り方を認めている場合も、多くの場合はその代休取得は義務ではありません。就業規則で特に「代休は必ず取得」などと定めている場合は別ですが、そうでなければ、代休の取得は従業員の自由選択になります。

代休を取得しなければ、休日出勤をした分の割増賃金も、代休しないで働いた日の賃金ももらえて、全体的に会社から受け取れる賃金は増えることになりますね。

また、有給休暇の残りに余裕がある人だったら、代休ではなく有休休暇を取って「体も休められる」「有給休暇の日の分の賃金ももらえる」という選択にすることも可能です。

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*取材・文:ライター 松永大輝(個人事務所Ad Libitum代表。早稲田大学教育学部卒。在学中に社労士試験に合格し、大手社労士法人に新卒入社。上場企業からベンチャー企業まで約10社ほどの顧問先を担当。その後、IT系のベンチャー企業にて、採用・労務など人事業務全般を担当。並行して、大手通信教育学校の社労士講座講師として講義サポートやテキスト執筆・校正などにも従事。現在は保有資格(社会保険労務士、AFP、産業カウンセラー)を活かしフリーランスの人事として複数の企業様のサポートをする傍ら、講師、Webライターなど幅広く活動中。


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