働き方

「皆が休むとまわらない」連休中の有給取得が却下された…

投稿日:2023年5月11日 / by

スーパーなど小売店などは特に連休中も働き手を確保しなければならないものだが…

ゴールデンウィークでは、たとえば5月の1日、2日に有給休暇を取得すれば連休期間を大きく伸ばすことができて、9連休などにできることがよくあります(今年もそうでしたね)。こういう“連休の中日”に有給休暇を利用しようと考える人は、決して少なくないと思います。

しかし、この2日間に有給休暇を申請したところ、「皆に休まれると仕事が回らなくなる」という理由で有給休暇の申請を却下されてしまった方もいるのではないでしょうか。

こういった理由で有給休暇の申請が却下されるのは仕方ないものなのでしょうか?(powered by シェアしたくなる法律相談所

Q.GW前後の有給休暇申請は却下されても仕方ない?

連休中の有給休暇取得を却下されるのは仕方がないのか

A.会社には有給休暇の「時季変更権」があるためある程度は仕方ないと言えますが、単に「忙しいから」という理由だけで却下することは許されません。

会社は従業員の有給休暇申請に対して「時季変更権」という権利を有しているため、有給休暇の申請が却下されたからといって即違法になる訳ではありません。

しかし、一方で会社は従業員が希望に沿う形で有給休暇を利用できるように配慮する義務があります。よって、この配慮を行わずに時季変更権を一方的に行使することはできません。

具体的には、

・有給休暇の申請を行った従業員の代わりは本当にいないのか(その日その人に休まれると本当に仕事が回らないのか)

・代わりを探す時間的余裕があったかどうか(従業員からの有給休暇申請がどのタイミングでなされたのか)

などを総合的に考慮して、配慮が適切になされたかを判断することになります。ただ、この判断というのは非常に難しい(合法・違法の線引きが難しい)ため、確実に有給休暇を利用するためには、直前に申請するのではなく時間的余裕を持って上司や同僚などと交渉しながら計画的に申請を行うべきでしょう。

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*取材協力弁護士:冨本和男(法律事務所あすか。企業法務、債務整理、刑事弁護を主に扱っている。親身かつ熱意にあふれた刑事弁護活動がモットー。)

*取材・文:櫻井哲夫(フリーライター。期待に応えられるライターを目指し日々奮闘中)


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