働き方

女性活躍への道のりがほど遠いこと示す残念なデータ

投稿日:2015年10月15日 / by

職場でのマタハラ・イクハラの実態

activewoman既婚女性が受けるマタハラ・イクハラで最多は「追い出し型」。ディップ(株)(本社:東京都港区、代表取締役社長 兼CEO:冨田英揮、以下ディップ)が、自社で運営する派遣の求人・転職サイト「はたらこねっと」(http://www.hatarako.net/)の未婚ユーザーと、(株)STRIDE(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 石田裕子)が運営する「Woman&Crowd」(https://womancrowd.jp/)の既婚ユーザー計800名の女性を対象に、「職場でのマタハラ・イクハラの実態」に関する調査を実施して判った。

まず、実態について。「マタハラ・イクハラを周囲の方が受けているのを見たことがありますか? 」という質問に対し、未婚女性の19%が「受けている、もしくは受けていた」と回答 。 実際に「マタハラ・イクハラを受けたことがある」という既婚女性は40%、「周囲の方が受けているのを見たことがある」は39%となり、未婚女性が感じているよりもマタハラ・イクハラを受けている人が多い結果となった。受けていない人は、平均して7割を超えているものの、受けている人がいること自体が問題といえるだろう。

また、未婚女性に対し「妊娠や出産を迎えた際、ご自身がマタハラ・イクハラを受けるのでないかと不安に思う事がありますか?」という質問に対しては、24%が「かなり思う」、45%が「少し思う」と回答。合せると過半数を超え、結婚により、“被害”増大につながることを懸念することが浮き彫りになった。
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では、どんな嫌がらせが行われているのか。大きく分けて4種類と言われる中で、多かったのは、未婚女性では「いじめ型」が37%で最多。既婚女性では「追い出し型」が37%で最多となった。マタハラ・イクハラ自体ひどい行為だが、男女平等が叫ばれて30年が経ったいまでも、何ら状況が変わっていないことを示す悲しい結果といえる。

打開策はあるのか…

ではどうすれば、この状況を打開できるのか。「マタハラ・イクハラの解決には、どのような対処が必要だと思いますか?」という質問に対し、未婚女性は「男性社員への妊娠・出産に関する理解・協力の促進」が47%で最多、既婚女性では「企業側でのフォロー制度の拡充」、「企業側でのサポート制度の運用体制を強化」が同率の54%で最多となった。これも数字の多さから、いまだ職場が何も変わっていないことを浮き彫りにするむなしい結果だ。

女性活躍推進法が成立したが、この結果をみる限り、その浸透への道のりは険しいといわざるを得ない。特lに問題は、既婚女性へのハラスメントのタイプの最多が、「追い出し型」という点だ。働く女性が出産しづらい環境を醸成することは、真の男女平等とは真逆をいくからだ。むしろ、どんどん産めるようなムードでなければ、女性が本当に潜在力を発揮し、戦力として活躍することなど期待のしようもない。

実際、子宝に恵まれなかった女性が、ダイバーシティ経営の進む企業へ転職した途端、立て続けに出産したという事例もある。もちろん、その企業の業績は好調だ。少子化対策、女性活躍。この2つを実現することは、自社の労働力確保という観点からも重要であり、日本の将来を考えても軽視できない課題だ。情けないが、このままでは、マタハラ・イクハラに対し、厳罰を与えるルールをつくるくらいしか、効果的な解決策はないのかもしれない…。

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