働き方

働く女性が下した2014年労働環境の意外な評価

投稿日:2014年12月17日 / by

働く女性の2014年の実感は?

働く女性意識調査

女性の活躍推進が掲げられる様になって「女性が働きやすくなった」実感
はありますか?(ビースタイル調べ)

2014年は、女性にとって受難の年? 主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』(事業運営者:株式会社ビースタイル/本社:東京都新宿区、代表取締役:増村一郎)と過去到達年収が400万円以上の女性の転職サイト『LiB(リブ)』(事業運営者:株式会社LIB/本社:東京都渋谷区、代表取締役:松本 洋介)が、働く女性をテーマに会員女性へ向け、「2014年のニュース」に関するアンケート調査を実施。その結果、世相と相反する意外な結果が判明した。

「女性が輝く社会の実現」。政権を担うトップが高らかに宣言したことで、女性が働きやすい社会へのターニングポイントとなる1年とみられた2014年。だが、働く女性の本音からは、そこには到底及ばない現実が浮かび上がってきた。

「2014年は『女性が働く』ことについて、どのような年だったと思いますか?」という質問に対し、最も多かったのは、『保育園不足やマタハラなど、働き続けることがこれまでより難しくなった年』というネガティブな回答で39.9%。回答者を主婦層に絞ると48.7%となり、その傾向はさらに高くなった。次いで多かったのは「企業が女性が働くことの価値をより認めはじめた年」とポジティブな回答で26.6%となった。

対照的な2つの回答が並んだ格好だが、今年の働く女性への追い風を考えると意外な結果といえる。もっとも、これまで以上に女性が働くことに前向きになった結果、まだまだ不十分な環境に直面する女性が増えたと考えれば、過渡期における“成長痛”とみることもできる。

とはいえ、続く「女性が働きやすくなった実感はあるか」の質問に対しては、「ない」が84%にも及び、「女性の活躍推進」が掲げられた年にしてはあまりにも残念な結果となった。深刻なのは、過去の到達年収が400万円以上の層では、平均を上回る87%が「ない」と答えている点。収入が多い女性は、それだけ責任ある仕事をしている可能性も高く、そうした人ほど実感がないというのは、国にとっては、今後に向けての大きな課題といえるだろう。

どうすれば女性は働きやすさを実感できるのか

そうした中で、全体の16%が働きやすくなった実感が「ある」と回答している。そうした人はどこにそう感じたのか。トップは「産休、育休等の女性を支持する制度が増えた」で27%。以下「周囲の社員の理解が進んできた」(22%)、「家族の支援が得られるようになった」(20%)、「女性マネジメント層の数が増加した」(17%)と続いた。制度自体は、以前から比較的普及していることを考えると、女性活躍の追い風が、その活用を後押しした側面はあるのかもしれない。

働く環境が向上した実感があると回答した人はなにに実感したのか(ビースタイル調べ)

働く環境が向上した実感があると回答した人はなにに実感したのか(ビースタイル調べ)

もっとも、女性活躍を打ち出した自民党に対する働く女性の“期待値”は、わずか19.1%。女性の活躍を推進してくれそうな政党については「なし/分からない」が60.1%となっており、“余計なお世話”感が充満する印象だ。

そもそも、政府が女性活躍を打ち出す背景には、人口減による労働力不足を補う狙いもある。つまり、そこには、女性の潜在力を期待してという側面よりも、〈背に腹は代えられない〉、といったニュアンスがにじみ出ている。もちろん、女性ならではの視点を活かすことで、イノベーションを生み出し、世界とも対等に渡り合える国力をつけたいという狙いもあるが、そこまで女性自身の意識が追いついていないというジレンマがある。

景気の先行きは依然不透明であり、共働きは当たり前になりつつある。だが、その関係は、やはり旦那がメイン、妻はサブ、的だ。この調査結果からはそうした部分もにじみ出ており、最終的にはやはり、男性の意識変革もなければ、真の意味での女性が働きやすい職場は実現しない、といえそうだ。

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