働き方

社員モチベーションの高い企業の秘密とは

投稿日:2014年3月7日 / by

モチベーションを維持し続けられる経営ビジョン

経営コンサルティングの(株)リンクアンドモチベーション(東京都中央区 代表取締役 小笹芳央)はこのほど、2013年社員モチベーション調査実施企業147社からモチベーション指数の高い企業10社を選出した。1位は、2年ぶり3回目で(株)スーパーホテルとなった。過去4回中3度目のトップとなる同社は、いかにして社員のモチベーションを高めているのか――。


〈社員モチベーションが高い企業ベスト10〉

制度採点

1位:株式会社スーパーホテル

2位:イングホールディングス株式会社

3位:株式会社ウィルゲート

4位:株式会社アップガレージ

5位:佐竹食品株式会社 株式会社U&S

6位:株式会社ネクスト

7位:株式会社ゼンリンデータコム

8位:株式会社横浜DeNAベイスターズ

9位:株式会社アクトコール

10位:三木楽器株式会社

TOP10に名を連ねる企業は、【理念戦略】 【事業内容】 【仕事内容】 【目標達成】の項目が、モチベーションインデックス(MI)の高さを牽引。具体的には、「理念や戦略の発信と伝達が密にされている」「事業に優位性があり、成長性も感じられる」「仕事で自分の能力や個性を発揮できる」「職場で目標が共有され、全員が全力を投じている」などの項目だ。

こうしたことから、「未来への明確な指針」・「職場での高い目標共有度」・「手触り感のある仕事内容」というキーワードが上位選出企業に共通する要素だと考えられる。

では、スーパーホテルの経営方針はどうなっているのか。同社では、人の力を重視し、「自律型感動人間」として、人間的に成長できるよう人材育成に力を入れる。具体的には「夢を持つこと」、「逃げないこと」の2つのステップを提示。自らの頭で考え、行動し、逃げずに学び続けることで「感性」と「人間性」を磨き、自律した社員としての成長を促す。

成長の先にある目標の実現をサポートするための仕組みも用意する。「チャレンジノート」は年間の会社と個人両目標実現を書き込むことで、会社と個人の目標を重ね合わせるもの。「ランクアップノート」は毎日、目標の実現へ向けた進捗状況を記し、成長を確認するもの。こうして全社員が日々の行動を記録し、習慣化することで、目標実現へ向けた迷いやブレを常に反省・修正する。

「話し込み」と呼ばれる上司と部下の徹底した対話の場もある。ここでは、「なぜその仕事をするのか」を背景まで知ることで「やらされ仕事」にならないよう、キッチリと状況を把握する。さらに個人にとどまらず、チーム単位でも目標を設定し、一人一人が主体的にチームにとっての改善活動を実践する。

こうしてみると、同社は同ランキングで重視される全てのキーポイントを経営理念の中で当たり前のように実践し、社風として浸透させている。受賞率75%は、ある意味で当然の結果といえるだろう。

先行き不透明な経済情勢の中、「モチベーションが上がらない」とぼやく社員に比例するように「社員の士気が低い」と嘆く経営幹部も少なくない。この問題の本質は、両者の“距離感”にあるといえる。つまり、仕事に対する裁量がどこまであるのかが互いが不明瞭なまま、作業として「こなされている」のである。これでは主体性どころか、社員がやりがいを感じるハズはない。どちらかがほんの少しでも踏み込むことで、モヤモヤは解かれ、好循環へとシフトするハズである。スーパーホテルの事例には、そうしたヒントがあふれており、参考になりそうだ。

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