働き方

天職創造プロジェクト~自分らしく働くために~(2)

投稿日:2014年9月10日 / by

就職をより良い出会いにする工夫 Vol.2

fune

「子ども参観日」

協和発酵キリン(株)

〈自分が自分らしく力を発揮できる仕事〉。それをある種の「天職」と定義しよう。その場合、どうすれば、天職にアプローチしやすくなるのか…。最初から好きを仕事にする場合、結果的にそうなる場合、あるいは自らの努力で創りだす、という到達の仕方も方法のひとつかもしれない。瓦版では、企業の取り組みの中から、よりふさわしい職場としての天職への道を探る。二回目は協和発酵キリンの取り組みから、多様な働き方と「天職」を考察する。(全三回)。

目的は会社と家庭のつながりの構築

協和発酵キリンオフィス内

昼間のママはちょっと違う

協和発酵キリンは、8月に同社本社で「子ども参観日」を行った。昨年に続き2回目となった同イベントには、社員33人とそのこども44人が参加した。

開催の目的について、同社では〈子どもに親の仕事を知ってもらうこと〉と〈職場の上司や同僚と子供を持つ社員の相互理解を踏めること〉、〈子供を持つ社員同士のネットワークをつくること〉などとしている。

2人の息子を連れて参加したママさん社員は「こうしたことを会社にしてもらえるのは非常にありがたい。子どもにどんな仕事をしているのか知ってもらえるし、本当に感謝です」と感想を話した。

子どもが親の職場に実際に足を運び、仕事に触れることは、子供の喜ぶ姿とは別の意味で大きな意義がある。いつもは強面の男性社員が子供前ではデレデレ、明るく元気な女性社員も子供の前ではやっぱりママ…そうしたことが、実体験として同僚に共有されることは、職場の雰囲気を変える大きな要因にもなり得るからだ。

例えば、取りづらい育休も社員の子どもの顔がリアルに浮かべば、むしろ取得を勧めたくなるだろう。突然の有休取得も同様だ。育休や有休は、周辺社員にしわ寄せをもたらす、というネガティブな印象も現実に“家族の状況”を目にしていれば、自ずと和らぐものである。

子どもの社会見学以上の効果

子どもにとっても、親が仕事で忙しいとはなんとなくは思っていても、なにをしているのかを分からなければ、不満だけが潜在的に募っていく。だが、実際に職場で仕事を体験し、オフィスでの親の姿を見ることで、明確ではなくとも、親の大変さや偉大さを子供ながらに理解はできるはずだ。

子どもは職場の親の姿に頼もしさを感じていた

子どもは職場の親の姿に頼もしさを感じていた

実際、参観日の最後に子供から親へ手紙が送られたが、そのほとんどが「ありがとう」、「いつもごくろうさま」、「がんっているんだね」といった内容で働く親の大変さの一端を子供ながらに感じている内容だった。

子どもが親への尊敬を高め、それに応えるべく親も今まで以上に頑張る。そうしたプラスの相乗効果が、結果的には会社にも活性化をもたらす。ひいては、“ワーク・ライフ・ファミリーバランス”の向上につながる。

昨今は女性活用や多様性が叫ばれ、様々事情を抱えた社員もいろいろなワークスタイルで柔軟に働くことが推奨されつつある。特に小さな子供がいる社員にとっては、急用などが発生しがちで、旧来のワークスタイルでは、制度だけでは十分に対応できないケースも珍しくない。そうしたことを踏まえても、「家族」を巻き込むこうしたイベントには、大きな意義と可能性がある。実施する企業が増える中で、その役割は微妙に変化しながら、新しい働き方へのシフトへいい案配の側面支援となっている。

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