企業風土

女性の働きやすさに最大限配慮する3つの制度

投稿日:2014年10月24日 / by

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女性の生活リズムに合わせたシフト構築

ウォーターワン
テレマーケティング事業部
部長 野村紀子氏

女性が働きやすい職場とはどんなものだろうか。時間の融通が利く、家庭の事情を上司が考慮してくれる、公明正大な評価、女性が多い…。家事、育児など仕事以外にとられる時間も多い女性にとっては、そうしたことを支障なくできる環境が、なによりも働きやすさにつながるといえるのかもしれない。ウォーターワンのテレマーケティング事業部は、所属の70人全員が女性。シフトも柔軟生に富むなど、女性の働きやすい環境づくりに最大限の配慮を払う。

女性が働きやすくなる3つの制度

同事業部でコールセンター業務に従事するスタッフは、8割が子育て主婦だ。大半が、パートアルバイト。当然、それぞれが家庭の事情を抱え、シフト組みも一律というわけにはいかない。それでも、同事業部では、70人のスタッフがバランスよく、そしてそれぞれの状況に合わせ、働くことが実現できている。その秘密は、同事業部が採用する3つの制度にある。

(1)週3日3時間から可能な勤務(2)長休制度(3)勤務時間帯によるインセンティブ。以下で、それぞれを順に説明しよう。

ウォータワンオフィス

女性の働きやすさを最大限に配慮したシフトで就労継続支援

(1)は、その文言通り、週3日3時間の勤務だけでもOKという制度。家庭の事情により、ほとんど時間が取れない時期などにミニマムな勤務体制として、活用することで、勤務継続を実現するための施策といえる。この条件のもとで、シフトを固定制でなく、毎週提出するため、まさに状況に応じた柔軟な勤務が可能となる。

(2)は、好きな時に長期休暇が取れる制度。子どもが夏休みの期間に1か月の休みを取るなど、事情に合わせ休みを取ることでメリハリをつける。その間、長期の欠員となるが、その穴は夏休みなら、学生バイトで埋めるなど、臨機応変に対処し、支障なく回す体制を敷く。

(3)は主婦の勤務特性によるデメリットを埋める施策。どうしても平日夕方以降や土日の勤務は手薄になりがちとなるが、その分、時給を高く設定することで勤務への誘因力を高める。具体的には、該当の時間帯に30時間勤務すれば時給が50円、50時間で100円、70時間で150円時給がアップする。30時間以上からというところがポイントで、一定の時間を働いてもらうことでしっかりと穴をカバーをする。

働く側にとっては至れり尽くせりといった感じの配慮だが、決して労働者に媚びるための施策ではない。パート・アルバイトが主体だが、出来るだけ長く、さらにいえば、社員への転換も視野に入れ、長期的視点に立って働き続けてもらいたいというのが制度導入の真の狙いだ。

最大限の配慮に甘んじない人材を面接で見極めることで健全に機能

働きやすさを最大限考慮する理由とは

働きやすさを最大限考慮する理由とは

女性管理職として同事業部をけん引する野村紀子事業部長はいう。「3つの制度は、女性の方が働きやすくなるようにするためのものです。十分にそうした部分に配慮しているので、時給は決して高くはありません。ただし、結果に対するインセンティブをしっかりとつけています。ですから、パートやアルバイトの面接であっても、しっかりと目標を持って取り組めるかを重視しています。優秀な方は常に社員への転換も視野に入れていますから」。

子育てや家事を強いられる女性にとっては、ライフイベントなどによるキャリア中断は宿命といえるかもしれない。だが、少しの工夫で続けられるとすれば、企業側がそちらへの努力を惜しまない手はない。なにより、すでに戦力化した人材を簡単に手放すほど、いまの時代、人材が豊富なわけでもない。上記3つの施策は、単純に社員に適用するのは困難かもしれないが、女性の就業継続においては、どれも重要な要素といえるだろう。

「私のころは、結婚して退社する『寿退社』の時代でしたが、いまの風潮は、結婚しても働き続けるのが当たり前になりつつあります。ですから、結婚などで退職して再就職するにしても、時間があるからなんとなくではなく、自分がどんな風になりたいのかどんなことをしたいのかをしっかりと描いて、長い目でキャリアプランを考えてほしいですね」と野村氏は語る。

女性が働き続けれらるための様々な工夫

water-one4実は、野村氏自身、子育てが一段落した後、なんとなく同社に再就職している。それでも仕事に慣れるにつれ、やりがいも増し、気が付けば、70人を束ねる事業部長にまで上り詰めた。それだけに、女性の就業継続については、強い思いがある。

だからこそ、部下を指導する際も、単に業務的指導だけにとどまらず、女性が社会で働き続けることを意識して対処しているという。さらに、社員に対しては、とにかく早めにプロジェクトを任せ、そこから成長を促すスタンスを徹底する。こうしたさじ加減は、女性ならではというよりも、子育てを終えたママの本能的な人材育成によるところが大きいのかもしれない。

さまざまな事業を展開する同社には、社内留学制度もある。介護事業や携帯電話販売などのリアル対面を伴う事業も展開しており、そうした部門で実地研修することで、通常業務のスキルアップにつなげる。会社全体でも約8割が女性の同社。必ずしも女性を重視して採用しているわけではないが、女性が働きやすく、そして成長しやすい風土があることが、結果的に女性主体につながっているといえるのかもしれない。


ウォーターワン

http://www.waterone.co.jp/index.html

【会社概要】
社名:ウォーターワン株式会社
所在地: 【本社】
神奈川県横浜市西区平沼1-2-24 横浜NTビル2階
URL : http://www.waterone.co.jp
【横浜コールセンター】
神奈川県横浜市西区平沼1-2-24 横浜NTビル2階
【和歌山支店】
和歌山市東蔵前丁4番地ファーストビル6F
【WATER ONE (CAMBODIA)Co,Ltd】
National Road No.1,Bavet Commune,Chantrea District,
Svay Rieng Province,Kingdom of Cambodia
代表取締役: 船木拓志
資本金: 1,000万円
設立: 平成8年4月
事業内容 :移動体通信事業、情報通信事業、テレマーケティング事業、介護事業

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