働き方

青い光はサラリーマンの希望の光

投稿日:2014年10月9日 / by

お毒 ウーッ、腹立つ、あの野郎、ツケ代踏み倒して、トンズラしたのよ。さんざんわがまま聞いてやったのに…。絶対許さんっ。

猫田先生 おっかねぇな。いつまでも女の腐ったヤツみてぇにグジグジ言うんじゃねぇよ。オメェもノーベル物理学賞を受賞した中村修二さんを見習って、怒りを原動力に偉業を成し遂げてみろってんだ。

毒舌家

お毒 金の怒りそうはいかないのよ。地の果てまで追いつめて取り返してやるわっ。

物知り

猫田先生 だから金の怒りだってつうの。中村氏は、日亜化学工業時代に青色LEDを開発したんだが、特許を巡ってもめたんだ。中村氏の貢献を金銭評価はせず、発明特許を会社が独占しちまったんだな。なんでもボーナスは2万だったなんて話もあるぜ。その怒りを原動力に退社して渡米。べ国籍まで取得して、いまに至ってんだよ。

お毒 そりゃ気の毒だわ。でも日本人じゃないってことかしら…。アタシもこの怒りをばねにアメリカで店舗をオープンしようかしら。店名は「デンジャラスドラッグ」。アメリカンドリーム、いいわね。

猫田先生 中村氏の受賞は、日本のサラリーマンの限界を満天下に示した意味でもすげぇんだよな。つまり、彼は会社のために必死で研究をつづけたんだが、そのプロセスでは金にならんと嫌味さんざん言われたわけだ。やっと発明しても手柄は全部横取り。海外の同業者からは“スレイブ中村”なんてあだ名でよばれてったいうんだからよ。そしてアメリカに出て、10年近くたって偉業がもたらされた。社畜として会社にしがみついてるサラリーマンも、少しは何か感じたんじゃねぇか。

お毒 奴隷から逃れて海の向こうで大きな花を咲かせたのね。中村ちゃん、オトコね。やっぱり男はチャレンジしなきゃ。会社に不満垂れてるヒマがあったら、飛び出してやりたいことやりなさいって感じよね。

猫田先生 中村氏は「好きなことならつらいことも我慢できる」としみじみ話している。イヤイヤ働くなんて、一銭の得にもならん。本当に嫌なら一刻も早く飛び出すべきだと思うがな。ぶら下がり―マンは、せめてまずは中村氏の著書「大好きなことを仕事にしよう」(ワニブックス)でも読んでみりゃいいんだよ。それで何も感じなきゃ、一生社畜でいいんじゃねぇか。いれる保証はねぇけどな。

おっちょこちょい

お毒 悲しいのは、そうやって中村氏が飛び出していったのに、10年たっても日本はあんまり変わってないってことね。これじゃ、日本は衰退するわけね。

猫田先生 〈頑張れば報われる〉って当たり前のことが実現しないんだから、絶望的だな。景気が悪いって側面があるにしても、夢のない社会に活力がみなぎるわけがねぇよ。

お毒 トンズラ野郎もそんな日本の犠牲者なのかしら…

猫田先生 日本に見切りをつけて、海外へ飛び出したんだな。餞別と思えば安いもんじゃねぇか。海外逃亡って線もあるけどな。

伝衛門 ノーベル賞はいくらもらえるんでやんすか?

お毒 額じゃないのっ。名誉。そもそもアンタ、ノーベル賞の知識ゼロでしょ。

猫田先生 STAP細胞問題で日本の信用下落が心配されたが、少しは留飲を下げた感じだな。青い光が、停滞してどんよりした日本を鮮やかに照らしてくれりゃいいがな。目覚めよ社畜、滅びよブラック企業。

 

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