働き方

会社を辞め地方移住を検討しています

投稿日:2015年11月10日 / by

~仕事・働き方のエキスパートがズバリお応えします~

<質問>

「いまの仕事を辞め地方移住を考えています」

地方移住を考えています。いまの仕事をすっぱり辞めて、移住先でクラウドソーシングかなにかで、収入を得ようと思っています。これまでに貯金はそれなりにしたので、当面、お金の心配はありません。収入もほどほどでいいですし、仕事の内容にもそれほどこだわっていません。その上で、地方移住を失敗させないためのアドバイスをいただければ嬉しく思います。(48歳男性)
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【回答】

「いきなり拠点を移すのはリスキー」

かつて地方に暮らし、また現在も地方に拠点をもつ身としてご回答いたします。地方移住を失敗させないためにもっとも重要なことは「いきなり拠点を移してしまわないこと」に尽きると言えるでしょう。拠点を完全に移してしまうのは最後の最後にして、移転先を選定する段階から綿密に情報収集することをお勧めします。まずは週末などを利用して移住候補先を探し、様々な条件と照らし合わせて最適な場所を見つけます。

そしてそれからが重要です。色々な時季、その土地に滞在する日数を徐々に伸ばして、日々の暮らしぶりを体感してみてはいかがでしょうか。現地にあらかじめ知り合いがいれば、その方のお話を聞いてみるのも良いかもしれませんし、いなければ現地の不動産業者や宿泊先のホテル、旅館でその土地の生活について聞いてみるのもよいでしょう。実際、地方に腰を据えて暮らしてみなければ分からないことも沢山ありますが、得られる情報は移住する前にすべて入手するくらいの気概は必要かと思います。

都会から地方に移住しても、また都会に戻っていく方々もいるのです。ですが戻れる方はまだ良い方かもしれません。都会を完全に引き払ってしまったので、戻りたくても戻れないという方も少なからずいます。実際にこんなことがありました。地方では犬を放し飼いにして、糞なども始末しない家庭があります。ある土地ではそれが当たり前で、異論を唱える住人はいません。ですが、小さな子供や小型犬を買っている家族がそのような土地に移住して、近隣の住人とトラブルを抱えてしまったのです。そして、地方に移住したら近隣の住人とも仲良く付き合っていきたい、という移住者の想いも潰えてしまいました。このようなことにならないよう、地方移住を思い切らないことをお勧めします。


新井健一<回答者プロフィール> 新井健一
1997年4月、大手重機械メーカ入社。人事業務全般に従事。1999年10月、アーサーアンダーセン/朝日監査法人(現 KPMG /あずさ監査法人)入社。 組織・人事及び業務改善に関わるコンサルティング及び教育に従事KPMGあずさビジネススクールにてシニアマネージャー、スクール長に就任。ビジネススクール責任者として事業経営の傍ら、コンサルタント、講師業務に従事。2010年11月、経営コンサルタントとして独立。東北六県を対象としたプロジェクトに従事し、仙台を拠点に活躍中。最近は旺盛な執筆活動も行っており、人事のノウハウをまとめた『日系・外資系一流企業の元人事マンです。じつは入社時点であなたのキャリアパスはほぼ会社によって決められていますが、それでも幸せなビジネスライフの送り方を提案しましょう』を発売している。

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