働き方

個人スペックで劣る独立起業がなぜエリートサラリーマンよりすぐれているのか

投稿日:2015年7月28日 / by

エリートサラリーマンはすごいけど…

スペックにすぐれるエリートサラリーマンと独立起業の違いとは(平城氏撮影)

スペックにすぐれるエリートサラリーマンと独立起業の違いとは(平城氏撮影)

ある方と話をしていて感じたこと。それは、サラリーマン社会で上まで登りつめる方は、やはり、凄い、ということです。

1日に数百通のメールを処理できる方、複数ヶ国語を巧みに操り、商談をまとめる方、1人で10人分のプログラムを書ける方…などなど。私にはとうていできないと思います。

でも、独立して会社に依存せず、なんとか生きていくことができている。もしかすると、『超エリートサラリーマン』の方より、収入は多いかもしれません。

確実に言えることは、会社を辞めてから10年たった私は、少なくともスキル的には殆ど変わっていません。むしろ、退化しているかもしれません。

逆に、進化していることもあります。それは、『何もないところから、価値を創造する力』です。つまり、自分でお金を生み出す力です。『何もないところから』と書きましたが、本当は世の中に商売のネタは幾らでも転がっています。でも、多くの人にはこれが見えていないようです。

会社の中では目覚ましい結果を出しているにもかかわらず、一歩会社の外に出ると、自分でお金を生み出す自信が無い、という方が大勢います。『自分にはハナからできない』と最初から諦めています。なぜ、このような状況になっているのでしょうか?

サラリーマンに求められるのは、“自分能力”を磨くことです。商品でいう『スペック』のようなもので、いかに自分のスペックが高いかを認めてもらえるどうかが、収入アップに繋がるからです。つまり、これは『内向きの努力』です。

一方、経営者にとっては、自分自身の能力はあまり重要ではありません。それより、自分を取り巻く環境、『ヒト』、『モノ』、『カネ』をいかに良くしていくか、が求められます。つまり経営者に求められるのは、行動すること、勇気を持つこと、リスクを負うこと、人を思いやること、こういったことです。これは、自分以外の要素に働きかける、『外向きの努力』です。

キチンと教わればほぼ100%可能な独立起業

私は1日に100通もメールを処理しようと思いません。それは、独立起業後の世界では、『スペック』と『収入』は比例しないということを知っているからです。逆に、メールを処理する量は日々減っています。理想は、私がメールをまったく見なくても、ビジネスがまわり続ける状態。それを実現しようとしているからです。

よく、独立に『向いている』『向いていない』という議論がされますが、それ以前に、この『内向きの努力』と『外向きの努力』の違いに気づいているかどうかが、成否を分ける大きなポイントになると思います。

この違いに気づける人が増えれば、本当は独立した方がうまく行く人が多い。そうした信念をもって、私は今の活動を続けています。

私達の中で、誰からも教わらずに車の運転ができるようになった方はいるでしょうか?逆に、教習所に行けばほぼ100%の人が、車の運転ができるようになります。それは、道路標識の見方を教わり(会社のルール)、エンジンのかけ方を教わり(会社の立ちあげ方)、アクセルとブレーキの踏み方を教わり(攻めと守りのコントロール)、ハンドルのきり方を教わった(会社の舵取り)からです。

教わらないと自分で学ぶことは難しく、逆にきちんと教われば、ほぼ100%の確率でできるようになる。独立起業というものはそのようなものだ、と私は考えています。


hiraosi【プロフィール】平城 寿 Hirajo Hisashi
1976年宮崎県生まれ。九州大学工学部卒(1999年)。もともとITエンジニアで、2004年にSOHO事業者向けビジネスマッチングサイト「@SOHO」を1人で立ち上げ、4年で日本国内No.1の会員規模にまで育て上げる。その後インターネットの可能性に魅了され、自らネットを活用した「場所や時間にとらわれないワークスタイル」を実践。2011年より海外に拠点を移し、アジアを中心に毎月5都市以上を訪問。『海外ノマドスタイル』を確立して、その魅力を発信している。

平城寿公式ブログ:http://hirajo.com/
平城寿Facebook:http://www.facebook.com/hisashi.hirajo
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