働き方

東京の中心に誕生した次世代型複合オフィス施設

投稿日:2015年8月5日 / by

Hive1職住一体型の複合施設開発の狙い

HIVE TOKYO

シェアオフィス、コワーキングスペースに続く新たなオフィススタイルが東京のど真ん中に誕生した。グローバル型の職住一体の複合型オフィス「HIVE TOKYO」だ。海外からスタートアップや企業を呼び込むことを軸に、グローバル展開を視野に入れる国内スタートアップへも提案する新たな働き方の拠点--。企画したNTT都市開発の宗慎一郎氏、石橋一希氏の2人にその狙いや展望を聞いた。

なぜメインが外国人が対象なのか

企画の狙いについて語る石橋氏(左)と宗氏(右)

企画の狙いについて語る石橋氏(左)と宗氏(右)

ーーまず企画の背景を聞かせてください。

宗氏 なにか新たなアクションを起こそうという社内的な動きの中で、既存物件に付加価値をつけ、再提案する案が浮上しました。そこで物件を吟味するプロセスで、この物件が目に留まりました。理由は、大使館が多く、靖国神社、日本武道館など、日本らしさがあるロケーションが外国人に受けるのではないか、というのがまずひとつありました。

ーーなぜ、居住対象に外国人を設定したのですか。

宗氏 このプロジェクト進行にあたっては、3つのキーワードを設定しました。(1)インバウンド、(2)新しい働き方、(3)コンプレックス(複合)です。外国人を対象にしているのは、これから人口が減少していく中で、海外からの来訪者、進出企業もターゲットにしていく必要がある。そうした中で、ビジネスにおいては我々が海外進出する際もそうですが、外国人が日本へ来日する場合、現地に数か月滞在し、それを何度か繰り返して支社を設立するといったパターンになってくると思います。その際、たいていはホテルに滞在することになりますが、やはりビジネスですから、ホテルでの仕事では、あまり効率が良くありません。そこで、そうしたニーズに対応する居住空間として、このHIVE TOKYOを企画しました。

海外進出のきっかけから定住まで視野

Hive3

開放感あふれる10階の共用ワークスペース

ーー確かにHIVE TOKYOには、短期滞在型のサービスアパートメントに加え、住居兼オフィスとなるフロアも揃っています。仕事目的で日本に一定期間滞在するには理想的な施設といえそうです。

宗氏 イメージとしてはまず、海外から市場調査のためにサービスアパートメントに滞在。その後、支社を出すことが決まれば、今度はそのままオフィスフロアへ入居いただくという流れが理想的と考えています。サービスアパートメント、サービスオフィス、SOHO、シェアオフィス、コワーキングスペース…多様な機能を持つスペースを複合的に揃えたのは、様々なフェーズの企業を柔軟に受け入れるためでもあり、激しく変化する働き方に対応したものです。こうした、さまざまな形態のスペースが混在する物件というのは、これまでは社内的な事情などもあり、決して簡単ではありませんでした。しかし、今回は、オフィス部門や分譲部門など、様々な物件を扱う部署が、若手を中心に部門横断的にプロジェクトチームとしてひとつになったことで柔軟な対応が可能になりました。

ーー入居対象の軸が外国企業ということですが、国内企業の入居についてはどうお考えですか。

石橋 もちろん考えています。有望な海外企業の入居をメインに考えていますので、グローバル展開を視野に入れる国内スタートアップなどにとっては、居ながらにして世界を体感できる場所になると考えています。ですから、英語にもある程度堪能で、本気で世界進出を目指す企業にとっては、立ち上げの初期段階からグローバルを肌で感じながら仕事をできる環境を提供できると思っています。

国内にいながら海外企業と同じ空気を吸える環境

Hive4

入居後すぐに仕事可能なSOHOタイプ

ーー昨今はシリコンバレーで起業する事例も珍しくなくなってきていますが、やはりその敷居は決して低くはありません。シリコンバレーとまではいかないにしても国内で、海外企業と同じ空気を吸いながら仕事ができる環境は、斬新であり、大きな魅力となりそうです。

宗氏 目標としては5割くらいを何らかの海外企業に入ってもらえればと考えています。そうなることで、HIVE TOKYOは、その機能を存分に発揮することが可能になってくると思います。具体的には、上階が共有フロアになりますので、そこで情報交換やコミュニケーションなどに積極活用いただき、互いに刺激し、吸収し合ってもらえればと考えています。

ーー魅力的な物件ですが、海外企業ヘのアプローチとなると簡単ではないと思います。現状はどういった形で集客し、どの程度の反応があるのでしょうか。

宗氏 集客は、海外なのでウェブが中心です。問い合わせは順調に来ていますが、現時点では日本企業が多いですね。それでもアメリカやカナダの企業からも問い合わせが来ています。その他、在日の海外企業などにもダイレクトメールを送るなどでアプローチしています。もっとも、この物件に関しては、埋めることに躍起になるというよりも、会社として新たな試みとなる、チャレンジ物件として意味合いが強い。ですから、目標数値を掲げるというより、ここで試行錯誤しながら、様々なノウハウを蓄積することで、今後の新たな展開に応用できればと考えています。

24時間働き遊び休み成長できる場所

ーーコワーキングスペースなどではよくある、管理側からのコミュニケーション促進の施策やイベント等の開催は予定していますか。

宗氏 具体的には決まっていませんが、管理人にはバイリンガルを常駐させます。できれば日本の入居者には語学もある程度習得しておいてほしいですが、出来なくても管理人がサポートする態勢は整えておきます。現状では、共有スペースとなっている9階、10階の2フロアの内、飲酒OKの9階共有フロアでのイベントなどを開催できればと考えています。

Hive5

独自の内装が可能がフロアもある

ーー最後にHIVE TOKYOによって、どんな風に働き方が変わり、暮らし方が変わり、世界が変わっていくのか教えてください。

宗氏 「HIVE」はミツバチの巣という意味と多くの人でにぎわっている場所という意味があります。家具付きのSOHOタイプ、サービスオフィスタイプ、アパートメントタイプ、プレミアムオフィスタイプ、シェアオフィスタイプと、企業や働く人の状況やスタイルにあわせ、多様な空間を用意していますので、個人や企業の成長フェーズにあわせ、思う存分、仕事に集中できる環境が整っています。24時間働き、遊び、休息し、最大限の成長をしてもらえる施設に仕上がっています。そこに海外企業が絡むことで、グローバルもハッキリと視野に入ってきます。この施設から多くの人が、そして企業が育ち、世界中を行き来し、最後にはより大きなオフィスへと巣立って行ってもらうことを願っています。


【HIVE TOKYO(ハイブトーキョー)】
hive鉄筋コンクリート10階建て。築23年のオフィスビルを用途変更し、再生した。2階、3階は家具付きのSOHOタイプ(15.8㎡~20.5㎡=各5部屋)、サービスオフィスタイプ(14.6㎡~18.7㎡)、プレミアムオフィスタイプ(35.2㎡~35.9㎡)の混在、4階が家具付きのアパートメントタイプ(18.8㎡~40.1㎡=3部屋)、7階、8階がプレミアムオフィスタイプ(20.5㎡~48.2㎡=各3部屋)、9階が共有のコミュニティフロア、10階がシェアオフィスと共有のワークラウンジの構成。個人のフリーランスから中小規模のスタートアップまで、あらゆるタイプの個人や企業が、その状況に応じ、使える施設が揃う。ここに外国企業が絡むことで、同物件は、24時間働き、そして、遊び、休息し、グローバルに交流するという、やる気と野望に満ちたビジネスパーソンにとって、まさに次世代の働き方を存分に実現できる、これまでにない複合型ワーキング拠点となる。

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について