働き方

生涯現役で幸福と不幸を分ける分岐点【瓦の目】

投稿日:2015年2月20日 / by

生涯現役がスタンダードになる時代

rank-7生涯現役。かつては特定の人の言葉だったが、いまや国民すべてに当てはまるといってもいいかもしれない状況にある。人口の減少が、全ての根源だ。人口が増えることを前提に築かれてきた制度や仕組みが、いまやものの見事に無用の産物となりつつある。十分に予測できていた事態だけに、無策ぶりはあきれる他ない。

その結果、終身雇用制度は崩壊し、年金制度も破綻した。会社員をリタイアした後、ゆっくりと隠居生活、は夢のような話になってしまった。定年からあと5年、10年、という次元ではない。元気で働ける間は働き続ける。それが、老後を生き抜くスタンダードになる。

老後の幸・不幸を分けるもの

この状況は、それまでの働き方如何で、捉え方が大きく変わることだろう。老後の隠居生活だけを目標に、いやいや仕事をこなしてきた人にとっては、悲惨な展開。いくつになっても皆に頼りにされ、主体的に働いてきた人にとっては、うれしい流れ、ということだ。どちらの割合が多いのかは分からない。だが、前者が6割、7割と多数派という印象だ。

“悲惨派”が多いと推測したが、それはそうだろう。会社員としての大半を右肩上がりの時代に過ごしたいまの50才以上の世代にとっては、それが当たり前であり、ある意味で刷り込まれてきたのだから。それが急きょ、ゴール直前になって、ゴールテープの位置が一気に延長されたら、その落胆ぶりや想像を絶するものであることは想像に難くない。

後悔先に立たず。いまさら悔いてもどうにもならないが、実は予想した割合が逆であるかも、という密かな期待もある。いやいや仕事をしてきたのも、組織構成上、やりたいことができなかっただけで、密かにスキルを磨き上げていたのでは、と邪推するのだ。そうだとすれば、まさに第二の人生では、そのスキルを全開にしてイキイキと輝けるハズだ。

遅ればせながらの政府の対応も、少しでも長くシニア層が働ける環境づくりを推し進めている。民間企業も、その経験とノウハウに着目しており、受け皿は整いつつある。あとは、そうしたフィールドへ、シニアがどんな気持ちで飛び込むか。それが、「イキイキか」、「グダグダか」の分かれ目になるだろう。

死ぬまでイキイキを実現するシニアの品格とは

100歳を超えてサラリーマンを継続した福井福太郎氏は「一生懸命、目の前の仕事すること。それが強運につがっていきます」とその秘訣を明かしている。82歳ながら美貌を保ち、最前線で活躍する加藤久美子氏も「人生の中で、自分の計画はしっかりともたなければいけません。1ヵ月先、1年先、3年先…頭の中に常に自分はこういうことを学びたい、ということを描いておくことです。そうすることで、チャンスが来た時に逃がさずつかみ取ることができるのだと思います」と話している。

どんな仕事でも全力で取り組み、常に目標を持ち続ける。これは、運よく隠居生活を送れる人も、生涯現役を強いられる人にとっても、人生を生き切る上で、絶対に外せないシニアの品格であり、心構え、といえるだろう。

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