働き方

「男性の育児休暇取得の実態に迫る」(6)

投稿日:2014年5月15日 / by

育メン

【育児休暇 実録レポート①「育児休暇取得決意~取得開始まで」】

これまで日本の男性育休の実態と取得のポイントについて見てきましたが、今回は一取得者の目線からお届けします。私自身が、今から約5年ほど前に3か月育児休暇を取得した時のメモを基に、以下にご紹介します。

まずは、取得決意~取得開始までのレポートです。

■取得の理由

子供が生まれるおよそ半年前のこと。「育児休暇を半分ずつ取らない?」妻からの提案に、僕は、最初、「冗談だろ?」と思った。男性は仕事をして稼ぎ、女性が家を守る。そんな旧い価値観を漠然と持っていたからだ。

しかしながら、妻は妻で、「育児は分担するもの」という価値観を当然のように持っていた。彼女の価値観に感化され、僕は育児休暇期間を想像してみた。最初にイメージしたのは「育児休暇」の名前のとおり、「休暇=自由な時間」を得られるということだった。

楽しそう。純粋にそう思った。それで、「いいよ」と返事をした。今では、この「育児休暇」というネーミングが恨めしい。

「育児休暇」は、「育児休暇」ではない。「育児勤務」ともいえる、結構ハードでポップな世界なのである。

■申請~取得決定まで

さて、育児休暇の取得にあたっては、正式な申請というより、子供が生まれる半年ほど前から、それとなくにおわしていった。

子供が生まれるという話題は、職場でのお茶受けや酒のつまみに最適らしく、何かと取り上げてもらえるため、その都度、自分も育児休暇を取ろうと思っている旨をそれとなく伝えていった。

そのうちに、引き留め的な発言をする人も現れた。「出世が遅れる」「この大事な時期に営業の戦力が抜けるのはきつい」…。

僕の存在価値を肯定してもらっているようで有難い言葉でもあった。

しかし、妻や何人かの知人から、次のような言葉をもらい、決心がついた。「長い社会人生活の中、育児休暇が取得できるのは今だけだよ」。

そう、育児休暇は、自分の人生の中で、子供に全面的に関われる唯一のチャンスなのだ。ここで取らなければ、僕は一生後悔するかもしれない。

仕事は、定年まで黙っていても向こうからやってくる。いつでもやりたいだけできる。出世が仮に遅れるとして、それは単に小さな会社内での、相対評価の話に過ぎない。

そんなこと、たいした問題ではないのだ!!そう考えが整理できてからは、覚悟が決まり、すっきりした。

取得の期間については、会社側の意向との調整を行い、営業の区切りの良いところまでということになった。このあたりは会社の一員としての責任も感じ、譲歩した。

妻と同じ会社だったことも取得にはプラスだった。妻と入れ替わるため、会社にとっては単なる戦力ダウンではないからだ。スムーズな育児休暇取得を強く希望される男子諸君には、キャリアウーマンとの社内恋愛を強くお勧めしたい。

■取得決定~開始まで

僕は営業職だったので、育児休暇取得にあたり、顧客を引き継ぐ必要があった。退職時などと違い、あくまで休暇期間中だけの一時的な引継ぎである。

顧客にご迷惑をかけてしまうだけでなく、ただでさえ自分の顧客へのフォローで忙しい営業部のメンバーに、積み増しでフォローをお願いするのは、正直非常に忍びなかった。

約2ヶ月かけて、顧客に引継ぎ担当と同行し、引き継いでいったのだが、顧客も社内メンバーも、とても暖かく事情を受け入れてくれた。中には顧客から賞賛や励ましの言葉をいただけるケースもあった。顧客が人事担当者ということも幸いしたのだとおもう。

スムーズな育児休暇取得を強く希望される営業職の方には、人事支援系企業への転職を強くお勧めしたい。

かくして12月末をもって、無事に顧客の引継ぎを完了し、1月より育児休暇に入ったのである。

(後半「育児休暇中の実態編」へ続く)

※今回ご紹介した内容を詳細にまとめたブログを公開しています。ご参考になれば幸いです。
http://ameblo.jp/hrm-team-japan/entry-11356301782.html

[バックナンバー]
第一回:機能不全の日本の育メン事情
第二回:日本の男性育休取得が進まない5つの理由その1
第三回:日本の男性育休取得が進まない5つの理由その2
第四回:日本の男性育休取得が進まない5つの理由その3
第五回:日本の男性育休取得が進まない5つの理由その4

◇男性の育児休暇に関する記事一覧


オンユアマーク井上氏【プロフィール】
井上幸一郎 有限会社オンユアマーク 取締役社長
2000年立教大学経済学部卒。
eラーニングベンダーにて、米国の学習管理システムのローカライズ、販売等に従事。米国民間資格の普及推進にも努める。
また、大原学園の資格対策eラーニング講座の法人販売やeラーニング管理システムの法人販売にも従事。
2005年、人事コンサルティング企業に転職し、企業研修・人事制度コンサルティングなどの営業・講師・コンサルタントなどを歴任。
2007年、3か月の育児休暇を取得。
2010年11月、「日本の人事にイノベーションを」をコンセプトに独立。
・日本ワークライフバランス研究会会員
ホームページ:http://onyourmark.r-cms.biz/

読み物コンテンツ

働き方白書について
仕事相談室について
極楽仕事術について
三者三様について
戦略的転職について
用語集について