働き方

「男性の育児休暇取得の実態に迫る」(8)

投稿日:2014年5月29日 / by
子育てロボットが登場する時代も来るかもしれませんが、人間が育てるからこそ育児です。

子育てロボットが登場する時代も来るかもしれませんが、人間が育てるからこそ育児です。

【終わりに】

さて、全8回にわたり、男性育休の実態を追ってまいりましたが、今回で最終回となりました。

最後に、今後の男性育休の普及を願い、3つのメッセージをお伝えできれば幸いです。

【①採用ブランディングにおいて必須の時代が来る】

現在、「女性の活躍推進」に、どの企業も躍起になっていますが、男性が育児・家事の分担をしない限り、女性の活躍推進が飛躍することはありません。特に育児休暇の分担は、女性のキャリアアップに対する精神的/実際的なネックを解消するうえでとても重要だと私は考えています。

今後、どんどん若手人口が減り、更に人材の流動化が増していくに従い、採用ブランディングが大事な時代が訪れますが、その時に男性育休の推進の有無が、ブランドイメージを大きく左右する時代が来るでしょう。今のうちから先行して取り組んでいくべき理由の一つは、採用ブランディング強化のためです。

【②キャリア形成の上でも男性育休推進を】

キャリア形成やリーダーシップ育成で、現在注目されているのが「リフレクションの機会」です。最近では「ポーズ」という言葉も出てきているようですが、日常業務に追われる毎日からいったん離れ、自身のキャリアについて立ち止まり、振り返る機会を取ることが、非常に重要です。育児休暇は、その貴重な機会です。企業は人材育成の観点からも、男性育休の推進を行う必要があるのです。

【③自分の人生のオーナーは自分】

最後は、企業側・人事側の観点ではなく、世の男性諸君に伝えたいメッセージです。前例がない、キャリア上の不安、等で、男性で育休を取ることに躊躇する方がいるかもしれません。

しかし、会社・組織に自分の運命をゆだねてしまうのではなく、ぜひ、主体的に自分の人生をコントロールできる自分であってください。男性育休は、究極的には人生の優先順位づけの話です。自分が死ぬ瞬間に、悔いが残らない選択はどちらか。どちらが自分の人生にとって幸せな選択なのか。そういう視点で、育児休暇というチャンスをとらえていただくと、良いのではないでしょうか。

自分の人生のオーナーは自分なのです。(了)

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オンユアマーク井上氏【プロフィール】
井上幸一郎 有限会社オンユアマーク 取締役社長
2000年立教大学経済学部卒。
eラーニングベンダーにて、米国の学習管理システムのローカライズ、販売等に従事。米国民間資格の普及推進にも努める。
また、大原学園の資格対策eラーニング講座の法人販売やeラーニング管理システムの法人販売にも従事。
2005年、人事コンサルティング企業に転職し、企業研修・人事制度コンサルティングなどの営業・講師・コンサルタントなどを歴任。
2007年、3か月の育児休暇を取得。
2010年11月、「日本の人事にイノベーションを」をコンセプトに独立。
・日本ワークライフバランス研究会会員
ホームページ:http://onyourmark.r-cms.biz/

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