働き方

主婦ママの活躍に本気で取り組む美人社長の野望とは

投稿日:2015年1月5日 / by

hime1アプリ開発も手掛けるチームづくり

(株)マミーゴー

代表取締役
荻野久美子氏

女性の活躍への追い風が吹く中、働くママの抜本改革に挑む女性経営者が現れた。マミーゴーの荻野久美子社長だ。〈仕事に直結する学び〉をコンセプトに掲げる同社は、なんと主婦プログラマーの育成も視野に入れ、教育による働くママの戦力化を図る。その狙いはどこにあるのか。

働くママの抜本改革に挑戦

主婦・ママの在宅での仕事といえば、かつては手仕事などの内職、いまはクラウドソーシングに代表されるデジタル内職が主流だ。理由は、時間と場所にとらわれず手軽にできることが一番といえるだろう。

「結婚や出産で離職した主婦・ママの中には、お勤め時代に培ったスキルを活かして、もう一度仕事をしたい、と思っている方が数多くいらっしゃいます。しかし、家事や子育てで忙しく、時間の融通が利かないということで、なかなかしっかりとした仕事がないのが実情です。本当に優秀な主婦・ママなのに、お仕事がないなんて、もったいない!なんとか社会にアウトプット出来ないか?と思案し、ITを懸け橋として、社会につなげようと考えました。そこで、マミーゴーでは、仕事に直結する学びを提供し、一歩を踏み出してもらうべくITマミー部を発足したのです。主婦・ママの潜在パワーを活かして日本経済を活性化したいと思っています」(荻野社長)

働くママのIT集団「ITマミー部」とは

『ITマミー部』とは、主婦・ママによるIT集団。エクセル、ワード、パワーポンイントに始まり、WEBデザイン、企画、そしてアプリ開発まで請け負うことを目指す。エクセルやパワポを駆使するならまだしも、主婦がアプリ開発とは、すぐにはピンとこないが、同社では、しっかりと教育の場を提供し、スキルアップを図っていくという。

mammygo3「主婦向けの仕事は、今現在はデータ入力がメインのようです。ただ、お仕事の供給より需要の方が圧倒的に多いため、報酬については価格破壊が起こっています。そこで、いろいろと調査をしたところ、プログラミング業界が人手不足ということが分かってきました。さらにその9割は男性なんです。ということは、女性のプログラマーに対するニーズはかなりあると見込み、いないなら育成しようとなったワケです」と荻野社長は明かす。

リケジョでさえ難しそうなプログラマーへの道を主婦に切り開こうとする荻野社長。そのハードルはかなり高そうだが、本当に可能なのか。「もちろん、全員がプログラマーになれるとは思っていません。でも、言葉が軽いかもしれませんが、そんなに難しくはないんですよ。まずはエクセル、ワードなどをしっかりと習得してもらい、そうしたお仕事もしてもらいながら、アプリの企画なども行い、ITマミー部を成長させていきたいですね」(荻野社長)。

美貌に備わる筋金入りの経歴

mammygo2童顔で今どき女子な風貌の荻野社長。声もアニメ系とあって、先見性あふれる明晰な思考とのギャップは大きいが、そのキャリアは筋金入りだ。学生時代に家庭の事情で働かざらなくなり、卒業後すぐに兄と起業。そこで財務を中心にあらゆる業務をこなし、家族を支えた。軌道に乗せると、かねてから温めていた教育ビジネスで起業。企画したビジネスモデルが、著名なビジネスコンテストで特別賞を受賞するなど、荻野社長は経営者としての才覚をいかんなく発揮する。まさに仕事通じ、自己実現しているスーパーレディなのだ。

主婦に無償で教育の場を提供するITマミー部では、講師として指導も行う。もっともそこでは、スキルよりももっぱら「マインドに訴えかけています」と主婦のマインドセット変革を担う。男女雇用機会均等法から30年。一向に男性社会から脱しない日本。その根底には男性はもちろんだが、女性のマインドの問題も横たわる。数値目標や仕組みでなく、根っこから働きかけ、うねりを起こそうと躍動する荻野社長。その姿には、本気で働く女性が活躍できる社会を実現しようとする魂が宿る。

本気で挑む働くママの変革に先に見据えるもの

「目指しているのは、主婦ママが多様に働ける世の中。時間と場所にとらわれず、学ぶ、教える、仕事する世界です。そうなれば性別も関係なく、本当に女性が活躍できる社会が実現すると思っています」と荻野社長は力説する。

主婦ママが当たり前のように活躍できる社会の実現ーー。その環境整備に連日、ビジネス街を奔走する荻野社長は、すでに名だたる大企業にも飛び込みで企画を持ち込み、いくつかの成果もあげている。社会には女性活躍の追い風が吹き付けているが、いまだその実体は見えてこない。それだけに、そのキャリアと行動力は、いやがうえにも際立ち、輝いてみえる。


mammygo【プロフィール】荻野久美子(おぎのくみこ)
1979年大阪生まれ。東京都在住。女性向けのお稽古ポータルサイト『Himmel』を運営。
1999年甲南女子大学短期大学部卒業。 父親が30 年勤務した会社にリストラとなり、それを機に 兄と店舗のデザイン設計・製作施工を事業とする会社、 クリエイティブスペースノット(現㈱ノットコーポレーション)を 立ち上げる。以後2013年春までの 14年間、経営に携わる。  前半は財務。後半は財務・営業・広報・マネージメント・ 人事労務と経営全般を担う。 中でも財務・営業・マネージメント・人事労務(キャスティング) が得意分野。 現在、全て自己資金で経営をしており、 9年前の25 歳、 会社を立ち上げることを決意してから約 5年間で自己資金を 貯め、その資金で会社を運営。 2014年3月からは、日本女性ビジネス協会副理事に就任している。

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