働き方

ワーカーの勤労意欲を高める重要な要素とは

投稿日:2014年3月5日 / by

リスクモンスター調査雇用の流動化が進む中、ワーカーの現在の仕事に対するスタンスはどうなっているのか。与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター(株)(東京都千代田区、 http://www.riskmonster.co.jp/ )が、20歳から49歳の男女600人に「仕事に対する満足度」について調査を実施。その結果を発表した。

 まずは、「仕事に対する継続の意識」について。結果は、「今後も勤め続けたい」(回答率69.3%)が「勤め続けたくない」(同30.7%)を大きく上回った。内訳は、男性(同67.7%)よりも、女性(同71.0%)の方が若干上回ったほか、年代別では、20代(同65.5%)、30代(同69.5%)、40代(同73.0%)と年代が上がるにつれて継続の意識が強くなる傾向だった。また、未婚(同63.7%)に比べ既婚(同75.0%)は、10ポイント以上も上回り、いずれも生活の安定性を望む姿勢が表れた結果となった。

業種別では、「今後も勤め続けたい」という回答が最も多かった業種は、「飲食店、宿泊業」(回答率85.7%)となった。以下、「建設業」(同84.6%)、「公務」(同81.0%)と続いた。「飲食店、宿泊業」、「建設業」においては、共に女性の勤労意欲が高いことが上位にランクインした要因と考えられる。

一方で、「勤め続けたくない」という回答が最も多かった業種は、「農業」、「食品製造業」(同50.0%)がトップ2で、以下「運輸業」(同39.1%)、「医療、福祉」(同37.7%)と続いた。

「今後も勤め続けたい」と選択した理由については、1位「職場環境がいいから」(回答率42.8%)、2位「安定した会社だから」(同32.5%)、3位「やりがいのある仕事だから」(同31.5%)となった。上位3つについては、男女別、年代別、未・既婚別のいずれにおいても高い回答率となっており、幅広く一般的に満足度に直結する要素と考えられる。

一方「勤め続けたくない」理由については、1位「給料が低いから」(同51.6%)、2位「仕事にやりがいがないから」(同38.6%)、3位「職場環境が悪いから」(同35.9%)という結果となった。「仕事のやりがい」や「職場環境」は、「今度も勤め続けたい」理由の上位としても挙がっていることから、勤労意欲を左右する重要な要素であるといえる。

面白いのは「給料」に関しての回答。「勤め続けたくない」理由としてダントツに高い回答率(51.6%)にもかかわらず、「勤め続けたい」理由としては中位に留まっている。このことから、給与は生活の安定という軸で考えており、必ずしも多ければ勤労意欲を高めるものではないと考えられる。成熟社会における、新たな価値観へのシフトを予感させる結果といえる。

現在の仕事に対して「勤め続けたくない」と選択した人に対して、転職したい業種についても尋ねている。1位は「医療、福祉」(回答率14.7%)、2位が「公務」(同12.5%)となった。男女別では、男性の1位が「公務」(同16.5%)、2位が「機械器具製造業」(同11.3%)、女性の1位が「医療、福祉」(同26.4%)、「その他サービス業」(同10.3%)となった。

「今回の調査結果から、一定水準の給料とやりがいが得られる前提の上では、企業の大小や新旧を問わず、転勤がなく国内勤務であれば、国内志向かつ実力主義かつ土日休みである日本の民間企業が最も望まれる企業ということになり、同時に人材が集まりやすい企業ということになるでしょう。しかし、果たして本当にそのような条件を満たすことが今後もその企業が生き残っていくために、真に必要な条件なのでしょうか」と同社は総括しつつ、生ぬるい状況に疑問符を投げかけた。

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