働き方

新しい就活のカタチ、「ナクルート」って何?

投稿日:2014年7月16日 / by
泣き映像に涙する参加者

しんみりムードのこの会、実は会社説明会です(東京・世田谷の本屋B&B)

参加者全員が涙する不思議な就活の実体

人材のミスマッチ解消に就活スタイルが変貌を遂げつつある中、斬新な就活イベントが都内で開催された。人事担当者、参加者がハンカチ片手に涙を流し、しんみりムードの会場。その名もリクルートならぬ“ナクルート”。なにゆえに、企業選びのステップでこんなスタイルが採用されたのか…。

薄明かりの中、泣ける題材がつぎつぎ披露され、場内はじわじわと湿り気を帯びていく。来場者はもちろん、採用担当者もすすり泣く。

この催し、実体は、「カヤックCEO柳澤大輔の『涙の会社説明会』 リクルートじゃなくてナクルートfeat.涙活プロデューサー寺井広樹」。つまり、れっきとした会社説明会だ。涙を流して心のデトックスを行う、涙活プロデューサーの寺井広樹氏が企画し、「就活でコラボするなら、まずはここだろう」と数々のユニーク人事制度を採用する面白法人カヤックにオファーし、実現した。

「泣くというのは『素の自分になる』ということ。だから、企業の人事担当者とともに泣きながら交流してもらおうと企画しました。人事担当者にとっては、面接では到底知る由もない学生の素の姿を見られるという大きなメリットがあります。学生側も就活うつを涙で解消し、少しでも楽しみながら就活してもらえると嬉しいですね。リクルートならぬ『ナクルート』です」と寺井氏は開催の経緯を明かす。

「就活」と「涙活」の異色のコラボ=ナクルート

「就活」と「涙活」のコラボレーション。なんとも斬新な組み合わせが、果たしてどんな化学反応を起こすのか…。まずは、泣語家・泣石家霊照 による「泣語」で幕開け。就活をテーマにした泣き話で参加者の涙腺を刺激する。ところが、カヤックCEOで人事部にも所属する柳澤氏は、落涙までには至らず…。泣語家が悔し涙を流す意外な展開でのスタートとなる。

続いて、泣ける短編動画を30分ほど流し、涙腺崩壊を狙う。寺井氏厳選の映像は、徐々に参加者の涙腺を刺激し始め、パラパラとすすり泣く人も出始める。クールな柳澤CEOも目を充血させ、泣きのスイッチがオン。人事担当者が、就職希望者とともに涙を流す展開となり、ナクルートの場づくりはいよいよ整った。

不思議なムードの中で会社説明を行ったカヤック柳澤CEO(左)

不思議なムードの中で会社説明を行ったカヤック柳澤CEO(左)

面白法人が感涙法人に?

全員がしんみりしたところで、柳澤CEOによる、会社説明がスタート。不思議なムードの中での会社説明となったが、柳澤CEO秘蔵の会社にまつわる泣き話も披露され、場内が涙に包まれる中、日本初の“ナクルート”は、いい雰囲気でエンディングへ向かう。最後の質疑応答では、感情を共有できたことで“壁”がとれたのか、質問も多数飛び交い、柳澤CEOも包み隠さず回答。通常の会社説明会とは質もムードも違う濃い内容となった。

初の試みを終えた寺井氏は「『ブラック企業』よりも、良いところも悪いところも素直に語り合える『フランク企業』に巡り合いたいものです」とコメントし、今後も精力的に同イベントを継続していくことを明かした。

情報の一方通行や格差により、イメージと実際のギャップから早期離職が後を絶たない若者の就職事情。素の自分を「優等生」という仮面で覆い、面接官と対峙する就職活動が双方に不幸をもたらす“温床”だとすれば、雇用側/被雇用側双方が喜怒哀楽を全開にする“ナクルート”のようなスタイルは、今後のスタンダーとなるかは未知数だが、極めて健全な就活スタイルとはいえそうだ。

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