
Vol.2 新しい働き方の導入フロー
新しい働き方導入への処方箋

ネットワンシステムズ提供
新しい働き方の導入を決めた場合、どんなフローが必要になるのか。単にハードを導入し、データをクラウドへ移すだけではもちろん機能しない。当然だが、導入企業がどういった形で新たなワークスタイルを運用するのかのルール作りが必要となる。ある意味ではそこが、新しい働き方に魂を植え付ける部分であり、最重要といえるかもしれない。
新しいワークスタイルの導入をけん引するネットワンシステムズの事例で、そのフローをみてみよう。同社では、導入にあたり、次の3つの課題を抱えていた。「目の前の仕事で精いっぱい」、「連携が少なく個人商店化」、「スペース効率の悪さ」。そこで、前者2つを仕事のやり方を変えることで、後者をスペース効率の向上で解決することを目標に設定し、プロジェクトをスタートした。
まず大枠として固まったのはICTを活用した「どこでもオフィス」の実現だ。いつでも、どこでも、誰とでも、どんな端末でも仕事ができる環境を実現し、硬直化した働き方の打破を目指した。こうしたハード面の環境整備と並行し、導入にあたってのソフト部分といえる課題については人事部が担い、生産性向上、ワークライフバランス、過重労働削減などをテーマに設定した。
ポイントは運営を円滑に進める制度設計
ハード面の導入は、いまやさまざまツールが揃っており、十分にワークスタイル変革を支援することができる。問題となるのは、制度面だ。人は、従来のやり方を変える際、本能的に拒絶してしまう傾向がある。ましてや、長年染みついた働き方を変えるとなると、かなりの抵抗も覚悟せねばならない。企業によって、その傾向が様々なのも厄介な側面といえる。そこで同社ではまず、人事部がモルモットとなり、最新の働き方を試すことから、改革をスタートした。
同社が新制度の中核に据えたのは、「テレワーク」、「フレックスタイム」、「シフト勤務」の3つ。働く時間の長さよりも、成果・アウトプットを重視し、社員が自立して生産性を高める働き方ができるよう考え抜き、社員との対話を続けた末に、これら3つの制度を柔軟に組み合わせる仕組みにした。また、全社導入の前の試用期間ではさまざまな課題が見つかった。それを踏まえつつ、本格導入の際に戸惑いなく制度活用できるように制度利用のガイドラインをまとめ上げた。
ポイントは、社員が戸惑う「コミュニケーション」、「評価時間」、「管理」の3つのキーワードへの処方箋と上司のマネジメント責任の明文化。ボトルネックを事前に摘むことにより、スムースな運用を狙った。実践の中で発生した課題を丹念にフィードバックし、リモートワークというこれまでにマネジメント事例のないケースの穴を埋めるなど、社員やマネージャーが戸惑わないよう配慮することに重点を置いた。
同社の場合、人事部員が社内報でリモートワークの状況を詳細にレポートするなど、啓蒙にも努め、社員の理解促進に身を張った。これらの取り組みの結果、ショールームも兼ねる新オフィスに最新鋭のテレワーク対応拠点(写真)ができたこともあり、大きな問題もなく、同社は、新しい働き方への本格シフトの舵を切ることになった。(Powered by ネットワンシステムズ)
◇働き方が導く企業の進化 Vol.1 新しい働き方が注目される背景
〈ネットワンシステムズ〉
ネットワンシステムズ(株)は、顧客の情報インフラを最適化することで戦略的な情報活用を促進し、導入企業の先の顧客への貢献も見据え、支援する。そのために、常に世界の最先端技術動向を見極め、その組み合わせを検証して具現化するとともに、実際に自社内で実践することで利活用のノウハウを蓄積する。http://www.netone.co.jp/