働き方

Vol.5 新しい働き方にシフトする本当の意味

投稿日:2014年6月30日 / by

あらゆる可能性を拡げる新しい働き方

bil新しい働き方の導入は、企業や社員に様々なメリットをもたらす。通勤・移動時間の削減、災害時の事業継続、生産性の向上、子育てとの両立…従来の働き方では、困難だったことが可能になることで多様なチャンスが広がることになる。

会社まで片道1時間30分のAさん。毎日超満員の電車に揺られ、ヘロヘロで会社に到着。電車遅れも多く、滑り込みセーフということも珍しくない。心臓に悪く、精神的にグッと疲れる。会社のテレワーク導入で、通勤が半減してからは、毎日すがすがしい状態で仕事に取り掛かれるようなった。時間も有効に活用でき、確実に仕事効率はアップした。

子持ちママ社員Bさんは、子育てをしながら時短勤務でやりくりしているが、会社に行く必要がなければもっと効率的に子育て業務を両立できると考えていた。実際にリモートワークを活用することになり、ゆとりを持って両立ができるようになり、仕事への集中力も増した。

企業Cは、大雪の影響で多くの社員が通勤不能になった。だが、テレワークの態勢が整っており、問題なく顧客対応し、ダメージはほとんどなかった。企業Dは、テレビ会議を本格導入し、出張コストの大幅削減を実現した…。

目には見えない導入効果も

上記は、新しい働き方の導入における、ごく一般的なメリットだ。実際には、もっと効果を感じられるハズだ。なぜなら、新しい働き方が導入された企業には、これまでにない自由で開放的な空気が漂うからだ。決められたルールで全員が足並みを揃えるのではなく、各自が最低限のルールの中で、しっかりと結果を追求し、自在に動き回る。自ずとやりがいにあふれ、前向きになるムードが醸成される。

裏を返せば、それだけ各自への責任が重くなるともいえるが、会社員として働くことに、ただ流れ作業をすることを求めてなったという人は、ほとんどいないだろう。いたとしてもごく少数派に違いない。なにより仕事にやりがいを感じれば、毎日が充実する。昨今は、各企業が人材難に苦しみ、優秀な人材の確保に四苦八苦している。新しい働き方のいち早い導入は、外部に対する吸引力としても、大きな効果が期待できる。

新しい働き方ヘのシフトは、もはや時代の趨勢といえる。それは単にテクノロジーの進化だけに根付くものではない。働くことに対する根源にもかかわっていると言っていいだろう。会社員は会社のために働く。それは当たり前だ。だが、その成果の出し方は、個々の社員が、会社と自身のリソースをフル活用し、最大化するものへと変容するだろう。

組織のピラミッドはよりフラットに横長になり、各自の裁量が増す。つまり、新しい働き方は、時代の変化の中で、会社と各社員がより対等に近づくことであり、互いがそのリソースを最大限に活用するスタイルへの「進化」ということである。種の起源で有名なダーウィンは言っている。「強いもの、頭のいいものが生き残るのではない。変化するものが生き残るのだ」。環境変化に適応できなければ、どんな偉大な企業でも過去の遺物となる可能性は否定できない…。(了)

〈バックナンバー〉
第一回 新しい働き方注目される背景
第二回 新しい働き方の導入フロー
第三回 新しい働き方による実際の成果
第四回 新しい働き方導入への課題

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