働き方

2014年度 新入社員の「定年志向」が過半数超え

投稿日:2014年4月17日 / by

~会社や社会に対する意識調査~

日本能率協会(JMA、会長:山口 範雄)は、同会が提供する新入社員向けセミナーの参加者を対象に、「会社や社会に対し、どのような意識や価値観を持っているか」の調査を実施。今回、2014年3月27日~4月8日の期間で、2014年度入社の新入社員を対象に意識調査を行い、その結果を公開した(回答数1,039人)。同時に上司・先輩にも調査を行い(回答数151人)、新入社員との意識のギャップも検証している。

定年まで勤めたいが5割超え

独立・転職志向についての質問に対しては、「定年まで勤めたい」(50.7%)が過半数に達した。最も低かった2002年が18.7%だった一方、「転職・独立」を考える新入社員は72.1%だった。以降「定年まで」という回答は増加を続け、今年ついに5割超えとなった。長引く不況の影響もあり、若者の安定志向が年々強まっていることが分かる。

日本能率協会一方で、働き方や会社・職場の好みを二者択一で聞いた質問では、「競争をするよりも、ある年代まではみんなで平等に上がっていく年功主義の会社」(42.9%)に比べ、「実力のある個人が評価され、早い昇進や高い給与が実現できる徹底した実力・成果主義の会社」(55.1%)を好む人が多い結果となった。

このことからは、単に安定を求めているのではなく、結果に対する評価もきちんとしてほしいと希望していることがうかがえる。同時に、会社に対する安定はもちろんだが、物心がついた時から好景気を知らない世代にとって、そろそろ景気回復してもいいだろうという願望も含まれていると考えられる。

就活ではやりがい優先から妥協して働きやすさへシフト

就職活動に臨む気持ちとしては、「気に入った会社や仕事に就けるかどうかよりも、就職することを最優先に考えた」(56.9%)が最も多かった。就職活動においては、「自分が働きたい業種」(60.0%)を優先して会社選びをしていたが、「今の会社への入社を選択した理由」は、「(社員や風土)雰囲気がよい会社」(51.0%)が第1位だった。この結果からは、やりがい優先から仕方なく働きやすさへシフトしたことがうかがえる。

働き方や会社・職場の好みを二者択一で聞いた質問では、「個人の裁量に任せられる職場」(15.4%)よりも「チームワークを重視する職場」(83.4%)を好む人が多い結果となった。新社会人という状況を考えれば、ある意味当然だが、少しさみしい結果でもある。

理想の上司は丁寧な指導をするタイプ

では、新入社員が考える理想の上司・先輩は、どんなタイプなのか。1位は「仕事について丁寧な指導をする」(57.7%)、2位「言動が一致している」(37.6%)、3位「場合によっては叱ってくれる」(31.2%)となった。

一方、上司・先輩が考える“新入社員にとって理想だと思う上司”は、1位「言動が一致している」(43.0%)、2位「仕事の結果に対するねぎらい・褒め言葉を忘れない」(41.1%)、3位「部下の意見・要望を傾聴する」(38.4%)と続き、「仕事について丁寧な指導をする」は4位(35.8%)にとどまり、求めるものと求められるもののギャップが浮き彫りとなった。

グローバル化はチャンスだが海外赴任はしたくない

グローバル化については「日本企業にとってビジネスの好機」と受け止めている新入社員が75.3%、「自分も当事者である」が78.2%と、身近に意識していることが分かる。それでも海外赴任については「したくない」が57.7%と過半数を超えた。前回2013年から6.8ポイント増え、2年連続で増加した。

海外赴任したくない理由については、1位が「治安や食生活、衛生面で不安を感じるから」が54.5%と過半数を超え、つづいて「言葉が通じるか不安だから」(52.0%)、「日本が好きだから」(39.3%)となった。

また、働くにあたってできればやりたくないことを聞いた質問でも、1位「休日出勤」(43.7%)に続いて、2位「海外への転勤」(42.8%)となった。

子どもができても仕事継続は女性で約9割

子どもが生まれても仕事を続けたいかという問いには、「ぜひ続けたい」(72.3%)、「続けられる環境がそろえば続けたい」(22.3%)を合わせると94.6%。女性の回答に限っても89.8%となった。

また、共働きで育児をする場合「ぜひ育児休暇を取得して育児をしたい」(43.5%)、「会社で前例があれば取得したい」(26.1%)を合わせると69.6%、女性の回答に限っては90.5%と、9割を超える女性が育児休業を取得したいと回答。過去最高となった。

 

 

 

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