働き方

エバーノートと日経の融合で働き方が激変するワケ

投稿日:2014年11月12日 / by

日経とエバーノートの合体で起こること

日経閲覧時にはエバーノートの関連情報が表示

日経閲覧時にはエバーノートの関連情報が表示

日本経済新聞社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:喜多恒雄)と、エバーノート(本社:米国カリフォルニア州レッドウッドシティ、CEO:フィル・リービン)が、資本・業務提携で合意したことが2014年11月10日、発表された。ビジネスパーソンの必読紙と“第二の脳”の合体は、一体どんな相乗効果を生みだすのか…。その可能性を検証する。

新聞社とITの最先端企業の融合。そうした視点だけでみると、あまり可能性を感じないかもしれない。しかし、デジタルデータ処理技術の劇的な進化によって、実は、働き方にも革新をもたらすような劇的なパフォーマンスが期待できるのだ。

すでにエバーノートを活用している人は、その中に様々な文章や画像が資料として詰め込まれているハズである。資料予備軍となるデータはネット上から手軽に取り込め、検索機能で瞬時に取り出しが可能。使いようによっては、まさに“第二の脳”として、ビジネスを劇的に加速してくれる。そこに日経が融合すると何かが起こるのか…。

例えば、エバーノートで新製品の企画プレゼンの資料を作成するとしよう。それが、高齢者向けの新型の杖だったとする。すると、資料作成中、エバーノート上に日経のシニア関連や杖の記事が表示される。逆に日経閲覧時に関連の情報があれば、エバーノート内の資料が表示される。

表示される情報は、なんと検索不要。エバーノートが、文脈やキーワードを解析しての自動で表示する。コンテキスト機能と呼ばれるこの機能はさらに、使えば使うほど精度が増す。つまり、これまで資料作成や情報書庫的な意味合いが強かったエバーノートが、単なる作業にとどまらず、アイディアの深堀りや創出にまで貢献してくれるのだ。まさに、いちツールからビジネスパートナー的な存在に“格上げ”されるといっていいだろう。

ひらめきや偶然の意があるセレンディピティは、イノベーションに重要な要素ともいわれる。リアルの場での人の集まりや議論の中から見いだされやすい側面が強いとされるが、“日経+エバーノート”によって、個人の作業中でもそうしたことが十分に起こり得る。新聞記事の視点に立っても、見過ごされがちな情報が、革新につながるものへ活用される可能性が高まり、結果的にその価値が最大化されることにもつながる。

働き方変革にもつながる革新的な利便性

エバーノート

エバーノート作業時には日経関連記事が表示される

朝食を食べながら朝刊を読んで情報収集。インプットした情報も踏まえ、オフィスで資料作成。典型的なビジネスパーソンの業務の断片が、この2社の融合によって激変する。作業効率化はもちろん、クオリティアップ、会議の削減…単なる便利ツールの域を超えたパフォーマンスによって、働き方そのものにも変化をもたらすことになる。

提携にあたり、日経新聞・喜多社長は「日経とエバーノートは、ともに『ビジネスパーソンを応援する』という点で事業の方向性が一致している。今回の提携は日経の持つ情報をエバーノートを通じて配信するだけに留まらない。両社は今後、オフィスに新しい働き方を提案するようなサービスを共同で開発していきます」と働き方の革新まで見据えた抱負を述べた。

エバーノートのリービンCEOは「日本のエバーノートユーザーは世界の中でも最も熱心であり、生産性への意識が高かった。今回の提携により、いままでよりさらに多く、そして高度なことが達成できることになるでしょう。日経が『人々の働き方を変革する』という私たちの挑戦に参加してくれることをとても心強く、そして光栄に感じている」と提携による無限の可能性に力強く先を見据えた。

「書く」、「集める」、「見つける」、「発表する」…。テクノロジーが進化をしても、ビジネスパーソンの基本作業がなくなることはないだろう。だが、技術の進化によって、作業が劇的に効率的になり、高度になることは間違いない。そうなればもはや、働き方は新しいステージに突入したといえ、さらに新たな作業が生まれてくることにつながるかもしれない。今後、様々な要素が絡み合い、働き方は着実に次のステージへと向かうことになる。そのステージがどんな景色かは、分からないが、デジタル化した膨大な情報とテクノロジーの進化がその重要なカギを握ることは間違いないだろう。

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