働き方

オイシックスが“社食”市場に参入

投稿日:2014年5月28日 / by

オイシックスが社食市場へ参入したワケ

オイシックス(株)(東京都品川区、代表・高島宏平)はこのほど、オフィス向けのサラダデリバリーサービスをスタートした。同社初のBtoE(Business to Employee)で、サービス発表時(2014年5月13日)すでに外資系企業など5社の導入が決まっており、発表後は問い合わせが続いているという。早期に年間10億円の売り上げを目指す。

同サービスは、同社が扱う有機や特別栽培などの安心安全な旬の野菜を使ったサラダをオフィスのランチ向けに宅配するもの。毎週週替わりのメニューを注文でき、企業が料金負担することも可能で、福利厚生として導入できる。

「店舗でサラダを販売している実績などから、働く人の健康的な食事ニーズがあることを感じていました。一方で、企業様の側も、従業員の健康に配慮した経営をしたいというニーズがあります。そこで、オフィス向けに弊社のサラダランチを提供することで、この2つのニーズを満たすことができるのではないかと考え、サービスをスタートすることになりました」と同社広報室の上堀宇花氏は説明する。

メニュー

左から「プリプリえびのカブウンセンサラダ」(Rサイズ)、「ふんわり豆腐ハンバーグのサラダ」、「15種類の野菜とジューシーチキンの彩サラダ」 (共にLサイズ)

安全性、味、ボリュームで差別化

メニューは、現在、全部で10種類あり、サイズはラージとレギュラーの2サイズ。この中から、レギュラーサイズ2種類とミニサイズ1種類の計3種類を週替わりで宅配する。「プリプリえびのカブウンセンサラダ」、「ふんわり豆腐ハンバーグのサラダ」、「15種類の野菜とジューシーチキンの彩サラダ」など、安全性に配慮した素材であることはもちろん、味、そして炭水化物やたんぱく質も入ったボリュームの3拍子が揃ったメニューがラインナップされる。メニューは素材の旬に合わせて順次入れ替わる。

料金は、ラージサイズ800円、レギュラーサイズ600円。企業が補助する場合の福利厚生プランもあり、社員負担0円や500円など、企業側の意向に柔軟に対応する。決まった曜日の継続利用が条件だが、10食以上なら、部署単位のオーダーも可能だ。製品の製造は、都内のリアル店舗用に新設された施設「Oisixデリキッチン上石神井」を活用する。オフィスへは、10時から12時に保冷ボックスで届けられる。ゴミや容器はその日のうちに回収する。

上堀宇花氏

社食市場参入の経緯を説明する上堀氏

「当初は、社員食堂のない企業様をメインのクライアントと考えていましたが、そういうところはもちろん、社員食堂のある企業様やすでにお弁当の宅配を導入している企業様からもお問い合わせをいただき、ニーズの多様性を感じております。当面は、サービスを磨くフェーズとして、試行錯誤しながら、より良いサービスを目指していきたいと考えています」(上堀氏)。

オフィスでの食品提供サービスがにわかに活気づく中、安心安全で健康的な食事の提供で差別化を図る同社。ネット宅配がメインだが、リアルでのサービス提供は、認知度の拡大と新規客開拓へもつながる。働くママ、共働き夫婦、定年の延長…。労働環境の変化により、昼間にオフィスに滞在する人口が増加している。そこに新たに生まれた“ランチ提供”という市場。古くて新しい激戦区を制するキーワードは、「健康志向」といえそうだ。

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