
女子大生の2人1人が専業主夫容認を宣言する思惑とは【瓦の目】
5割の女子大生がパートナーの専業主夫に理解
(株)Woman&Crowdが行った調査によると女子大生に2人に1人は「夫が専業主夫でもいい」と答えているそうだ。「女性活躍」を目指す社会にあって、なんとも頼もしい限りだ。一方で、同じ調査で女子大生の58%が「キャリア継続のため結婚や出産にためらいを感じてしまう可能性がある」と回答している。
この微妙なギャップがある2つの回答をどう解釈すればいいのか。その答えは、もう一つの質問に対する回答に凝縮されているといえそうだ。それはパートナーの家事・育児への協力度合に関するもの。女子大生、そして、既婚女性共に約9割が、協力度合いが自分のキャリアに大きく影響する、と回答している。つまり、バリバリ働く気持ちはあるが、結婚・出産となれば、旦那の協力は不可欠。それも、対等以上のサポートが必要、ということだ。
その意味で「キャリア継続のため結婚や出産にためらいを感じる」という58%の数字は、そのままパートナーが本当に協力してくれるのか、という不安の裏返しといえるだろう。無理もない。これまで自分が見てきた親をふくめた共働き夫婦の背中には、いつも女性が家事を任せられ、男性は仕事にかこつけ、最低限の協力しかしていない姿しかみえていないのだから…。
専業主夫容認宣言の“正体”とは
働く女性を覆う不安は、実は出産そのものよりも、男性の家事に対する不信感とイコールといえるのかもしれない。その意味では、女子大生の“専業主夫容認宣言”は、「家事をやるならトコトンやってくれ!」という男性に対する痛烈なメッセージともいえる。瓦版が実施した調査では、男性の主夫願望は約7割に達しており、現実味はある。さすがに出産だけは、代替不能だが、意外に男性の方が、「主夫」への適性がある可能性はある。
もっとも、女性活躍や一億総活躍社会の実現が声高に叫ばれる背景には人口減少による、労働力減少がある。この風潮が加速し、女性活躍が実現しても、比例して男が専業主夫になれば、プラマイはゼロ。労働力の増加にはつながらない。結婚・出産へのためらいが大きく減少し、出生率が上がるというメリットはありそうだが、“専業主夫社会”が浸透する前に、今度は「男性活躍推進」というアクションが盛んになりそうな気がしてならない。この問題の根っこは、想像以上に深い…。