働き方

2015年の働き方を振り返る【瓦の目】

投稿日:2015年12月25日 / by

“永遠のテーマ”が顔を出した2015年

「時間より成果」や女性活躍に関する動きが目立った印象の2015年。「長時間労働是正」と「男女平等」は日本の職場が抱える永遠のテーマ。そこへ政府が斬り込んだことで、潜在化していた問題が今年は顕在化した。それが、2つのテーマが注目を集めたというのが、真相だろう。その意味では、問題解決へ前進したというよりも、問題が地中から再び顔を出したに過ぎない。

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まさにもぐら叩きの様に、叩いても出てくる「顔」。その正体は、物理的に消滅できるシロモノではなく、文化や国民性に根差したものだから、撃退は不能と考えるのが賢明だ。女性の活躍を支援するサービスを提供するある女性経営者は「こういう仕事ですから大量の情報も入って来ますし、四六時中頭を働かせています。しかし、考えれば考えるほど複雑で正解がないことを痛感します」とポツリと明かしていたが、同感だ。

20年以上主要先進国での労働生産性が最下位という不名誉も、この2つの問題と密接にリンクしているのは言うまでもない。もっとも、働き方が大きな転換点にあるこのタイミングでの再浮上には意義がある。つまり、いまこそ、問題を解決するにふさわしいタイミングであり、ラストチャンスということだ。ここを逃せば、もはや日本は変わる機会を失い、失業はしていなくとも不幸な労働者であふれる“心の貧困国家”へと転落するだろう。

構造変化に対応する動きが目立った1年

2015年は地方転職が活発になり、ヒト型ロボット・ペッパー君のデビューに注目が集まった。大企業とベンチャーをつなぐサービスが勢いづいた1年でもあった。これらの動きは、人口減少問題と深く関係する。首都圏であぶれる人材の地方への移動であり、逆に職自体の首都圏からの地方への分配も活発だった。大企業に埋もれる優秀な人材のベンチャーへの流入。ロボットによる接客…。これらは全て人手不足を補完する動きであり、さらに歪な分布となった人材の最適化だ。

2016年以降、こうした動きはさらに加速するだろう。ただし、当のビジネスパーソンが、このうねりをどう捉えるのか。「自分には関係ない」、「まだ先の話」、「一部の出来事に過ぎない」…。こうしたスタンスでは、あっさりとうねりに飲み込まれてしまうだろう。もちろん、現状維持の働き方も結構だ。だが、これまで大きく違うのは、環境そのものが変質へ向かっているということだ。つまり、現状維持は明確に「後退」という時代に突入している。1億総活躍社会ならぬ、1億総自分事社会が幕を開けた。それが2015年ということがいえるかもしれない。

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