働き方

業務効率化実践企業に学ぶ生産性アップを実現する5つのスゴ技

投稿日:2016年5月27日 / by

発想の転換が生む効率化という魔法

「仕事が遅い」と部下を叱責する上司がいる。これはこの時間自体が無駄だ。スマートな働き方を実践する企業では、仕組みそのもので無駄を排除し、作業効率を大幅に向上させている。実践企業のノウハウから、「仕事が遅い」を死語にする組織づくりを学ぶ。

1:SNSフル活用で報連相の無駄排除

企業が持つ時間の15%。ある調査による会議に費やされる時間だ。年間で30万時間ともいわれる。この半分が削減されるだけでも、作業効率は大幅に向上する。アウンコンサルティングは、SNSを最大限に活用し、会議時間の短縮に成功している。

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時間は有限。仕事が遅いのに一利なし

具体的にみてみよう。まず、議題に対し、金曜日の夕方から月曜日の朝までの4日間で参加者が意見を投稿する。この間に議題が煮詰まり、月曜の会議本番では、確認作業だけで幕となる。たったこれだけのことだが、同社の会議時間は約7割も圧縮された。会議が長引く原因は、事前準備が足りないから。それはつまり、まめな報連相。仕事が遅い人は、報連相の不備で仕事が後手後手に回っているケースが多い。まめな報連相が習慣になれば、並みの社員が大化けすることは十分にあり得る。
社内SNSで大幅な時短を実現する働き方

2:外注積極活用で業務の質を超濃縮

仕事が遅い人は、優先順位の付け方が間違っていたりする。どうでもいい作業に時間をかけすぎていたり、横入りの仕事を断り切れずに重要な仕事後回しにしたりしている。こうした、個人の判断の間違いを根本から排除したのが化粧品メーカーのランクアップだ。

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ランクアップでは社員の業務から極力無駄を排除

残業ゼロを目指す同社は、やるべき業務に集中することが時間の最大化とし、無駄を徹底排除。会社が注力することを、製品開発、広告宣伝とし、それ以外は外注を積極活用。社員のルーティンワークを極力なくし、資料の作り込みも禁止するなど、業務にメリハリをつけ、残業を大幅削減。業績も向上させた。仕事が遅い社員の元凶となりそうなことを根本から排除することで、効率を上げるという発想は簡単なようで難しいが大いに参考にできるだろう。
女性が幸せに働き続けられる会社のつくり方

3:時間を削るでなく時間をつくるという逆転の発想

仕事が遅いことで問題となるのが長時間労働だ。物理的にどうしても残業の必要があるケースもあるだろうが、個人の能力が原因で残業となっている場合もある。こうした問題に真っ向取り組み、成果を上げているのが、ロゴスウェアだ。

同社ではトップが率先して生産性アップと向き合っている。具体的には、残業をなくすという発想でなく、時間を創りだすことに着目。逆説的に課題を浮き彫りにし、その対策を打ち出している。<決定に同意をとり過ぎない>、<ミーティングメンバーは最小限にする>、<トラブルをいとわない>、<やらないという決断もする>などだ。その徹底ぶりはかなりのもので、コミュニケーション力アップのための言語技術のトレーニングの実施やトラブルが起こったら必ず迅速に対応するなど、ルールを定め、形骸化しない工夫も怠らない。
労働時間短縮に真っ向取り組む会社

4:休憩時間も惜しむな、ではなく満喫せよ

生産性の向上で意外に盲点となるのが休憩のとり方。できるだけ最小限にというのは、拘束時間の削減にこそなれ、生産性アップには逆効果だ。仕事の合間のリフレッシュ時間となる休息は、脳を休めることにつながり、その後の作業の効率を大幅にアップさせる。そのことをしっかりと認識しておく必要がある。

昼寝に行ってもエステに行ってもOK

昼寝に行ってもエステに行ってもOK

大阪のITベンチャーHUGOの休憩時間は、なんと3時間。一般企業の3倍だ。その理由は「我々の仕事はマーケティング戦略の構築やそれに伴うデザインやプログラミングなどアイデアと集中力が必要な仕事が中心。ですから、眠いとか、疲れている、とかは非常に生産性を下げてしまう。心身ともにリフレッシュして、仕事に着手することでより良い仕事をしてもらうことが最も重要と考えています」と同社中田代表。仕事中にサボったり居眠りしたりする人間に限って残業しがち、という事実を踏まえれば、実は非常に合理的な制度といえそうだ。
休憩時間を3時間にすると会社はどうなるのか

5:不調の排除こそ最大の生産性向上なり

体調管理も生産性アップに重要な要素だ。風邪でだるい。寝不足で眠い…。こうした不調を抱えて仕事に取り組むことで作業効率は大幅に低下する。自己管理も大事だが、会社が社員の不調を軽減する施策をとれれば、忠誠心の向上も含め、大きな効果が期待できる。

花粉な基地を求め、どこまでも…

花粉なき地を求め、どこまでも…

スパイスライフの取り組みは、社員のパフォーマンス最大化の究極といえるカタチかもしれない。なんと同社では、花粉症の社員は花粉シーズンの“疎開”が認められている。年一回上限10万円という制約はあるが、花粉症で苦しむ社員にとってこれほどありがたい制度はない。ちなみに、この制度によって、生産性は前年比4倍にアップ。おつりが十分にくる成果をあげている。
トコトン働きやすさにこだわるなるほどな理由

<まとめ>

上記5つの企業の取り組みは、生産性を大幅に向上させているだけでなく業績アップにも貢献している。売り上げを落とさないために長時間労働を強いる企業もあるが、逆効果であることは明らかだ。「もっと働け!」ではなく、「どうすれば、社員の能力を最大化できるか」。そこに頭を使うことが、経営者やマネージャーの役割。新しい働き方へシフトするただ中にあるいま、出来の悪い部下を「仕事が遅い」と叱っている様では、会社の衰退こそ加速させてもその未来は危ういかもしれない…。

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