働き方

働き方用語の正しい読み方【プロフェッショナル人材】

投稿日:2016年2月4日 / by

プロフェッショナル人材とは

地方創生推進の一環で、地域経済活性を目的に内閣府が主導するプロフェッショナル人材事業。その中で、「プロフェッショナル人材」は、<経営者を支える右腕として企業マネジメントに携わる人材>、<新規事業や海外現地事業の立ち上げなど、企業にとって新たな事業分野や販路を開拓し売り上げ増加等の効果を生み出す人材>、<開発や生産等の現場で新たな価値を生み出せる人材>といった人物像として定義されている。

左から広島県プロフェッショナル人材戦略マネージャー黒沢氏、湯﨑氏、サンフレッチェ広島取締役町野氏、ビズリーチ南社長

左から広島県プロフェッショナル人材戦略マネージャー黒沢氏、湯﨑氏、サンフレッチェ広島取締役町野氏、ビズリーチ南社長

文字通り、プロの仕事ができる有能な人材だ。こうした人材は、物理的に機能が集約されていることもあり、首都圏に集中している。それでなくとも、少子高齢化で労働力は減少フェーズ。地方は、このまま何もしなければ、衰退に拍車がかかり、取り返しのつかないことになる…。そこで、国もその対策に乗り出し、歪んだ人材分布を少しでも均一化すべく推進するのが、プロフェッショナル人材事業というワケだ。

日本の将来を考えれば、その大義名分は素晴らしい。転職予備軍の意識だけに任せるには限界があるだけに、国が絡むことは理にかなっている。他方、プロフェッショナル人材は、首都圏の企業にとっても手放したくない人材であることは言うまでもない。つまり、政府の肝いりでスタートしたプロフェッショナル人材事業は、優秀な人材の獲得競争激化への号砲が打ち鳴らされたのと同義といっていい。

同事業では、各都道府県がプロフェッショナル人材拠点をを置き、首都圏を中心とするプロフェッショナル人材を発掘。地域の中小企業などへマッチングする形が基本となる。全国第一号として拠点を開設した広島県は、約59万人のプロ人材の登録者を有するビズリーチと協業し、首都圏人材の採用を効率的に行っていく。

人材大流動化時代の中心となるプロフェッショナル人材

「世界を見渡せば、必ずしも大都市にプロフェッショナル人材が集中しているワケではない。ではなぜ、日本だけが首都圏にプロ人材が集中するのか。それはライフモデルが仕事中心に回っているからに他ならない。もちろん、受け入れる地域側にも課題はあるが、魅力を提案しながら、県としても企業を後押ししたい」と広島県知事の湯﨑英彦氏は、今後の展開に期待を寄せた。

ビスリーチの調査では、地方転職について、69%が「やりがいがあれば前向きに検討」と回答している。広島県では第一弾として、サンフレッチェ広島の販路開拓マネージャを公募。2015年のクラブW杯3位でJリーグでも上位が常連のチームだけに、企業としての潜在力は計り知れない。こうした磨けば光る地方企業が、どんどん露出してくれば、人材獲得競争は今後、一気に全国へ波及することになる。

もちろん、そのエリアは国内に留まらず、世界へと展開しても不思議はない。地方創生を起点に加熱する地方転職の波は、前のめりな“プロ人材”にとって、その才能を最大化する絶好の追い風となる。それだけに地方企業は当然のこと、首都圏の企業もより働きがいのある職場づくりややりがいのある事業構築を徹底するなど、人材確保の必要に迫られることになる。人材大流動化時代幕開けの号砲が、ついに打ち鳴らされた。

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