働き方

介護離職増加が招く恐るべき企業の末路

投稿日:2014年1月29日 / by

jijii介護離職による会社への深刻な影響の影が色濃くなりつつある。NPO法人「老いの工学研究所」が『高齢者のありよう、役割に関する調査』を実施(20歳代から60歳代まで325人から回答)。このほど公開された結果から、管理職世代が、迫りくる“危機”を肌で感じている実態が浮き彫りになった。

「高齢者は経済的に弱者である」、「高齢者は健康面において弱者である」、「高齢者は保護されるべき対象だ」の項目において、50代が最も肯定する割合が高く、「公的制度において高齢者を優遇しすぎだ」、「民間サービスで高齢者の割引制度などが多すぎる」では、50代が最も否定の割合が高かった。

高齢者は保護されるべき対象だ

     肯定  否定

20歳代 70.0% 30.0%

30歳代 58.7% 41.3%

40歳代 68.8% 31.3%

50歳代 84.4% 15.6%

60歳代 50.0% 50.0%

この結果について同研究所は「50歳代は、親が後期高齢者になる世代であり、親の衰えを実感し始め、老後を支えることに対して漠然とした不安や悩みを持つようになるためではないかと考えられます。また、60歳代で数値が戻るのは、親ではなく、自分自身の問題として捉えるようになるからだと考えられます」と分析している。

少子高齢化によるひずみとして、いま静かに押し寄せている大きな問題が介護離職の増加。すでに毎年10万人のペースで介護・看護等の理由で離職・退職を余儀なくされている。今後このペースは落ちることはなく、さらに少子化により労働人口は減っていく。つまり、マネジメント層の離職と育成すべき若手の減少で、企業は存続の危機を迎えかねない状況にあるのだ。

この調査結果からは、その渦中にいる50代が、ひしひしと迫りくる“危機”を肌で感じていることを示しているといえる。介護離職が増加する背景には「辞めたくないが、周囲の空気が許さない」という風土の問題もある。在宅で勤務ができない制度の問題もある。いずれにせよ、迫りくる“介護離職”を軽視し、ワークライフバランスへの施策を放置していると、企業は痛いしっぺ返しを食うことになる…。

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