働き方

ビジネスパーソンの“最強のアイテム”の入手法【瓦版書評】

投稿日:2016年2月15日 / by

ビジネスパーソンにっての「最強アイテム」とは

あなたにとって、最強のビジネスツールはなんだろうか? 最新のデジタルガジェット、天下無敵のブラックカード、疲労をスッキリ取り除くスペシャルジュース…。なんでもいいが、困った時に頼りになるアイテム・ツールは、ビジネスパーソンにとって、そのパフォーマンス最大化に貢献してくれる強力な“武器”といえるだろう。

もっとも、あらゆるビジネスパーソンにとって、最強の“アイテム”がある。それも、誰もが持てる可能性があるものだ。それは、「健康なカラダ」だ。理由は言うまでもないだろう。どんなにすぐれた能力を持っていても、体調が不十分なら、そのチカラを発揮できないからだ。万全な体調こそが、ビジネスパーソンにとって、何にも勝る、“最強のアイテム”。これに異論を唱える人はいないだろう。

灯台下暗し、ともいえる当たり前のような事実だが、この「アイテム」を持っているビジネスパーソンは、残念なほどに少ない。人間関係によるストレス、長時間労働、芳しくない景気動向、厳しいノルマ…。ビジネスパーソンを取り巻く環境が、「健康」でいることを阻害するものであふれているのが原因だろう。頑張っているようにみえるビジネスパーソンも、実は気持ちだけで乗り切っていたりするケースがほとんどだ。

ultimatehealth

究極の体調管理(鈴木登士彦:日本実業出版社)

生産性向上の最短コースは「超健康体」にあり

本書は、タイトルにも掲げているだけあって、「『超健康体』こそが、ビジネスの必須アイテム」とズバリ言い切っている。「究極」という文字からは、ハードな内容に思えるが、むしろ逆で、ビジネスパーソンの日常の中で取り入れらるほど、驚くほど手軽にできるという意味合いで使われている。

例えば、通勤時にはできるだけ歩く、間食したくなったらナッツかゆで卵、わけもなく不安になったら意識的にゆっくりと、深く、意気をすって吐くという呼吸法がいい…などが実践法として紹介されている。なにも気合を入れてフィットクラブに通い、高級食材を購入して食事を変えるなどという、敷居の高さはないのだ。日常の中で、ちょっとした意識の持ちようで継続できるノウハウ。だから「究極」なのだ。

構成は、運動編、食事編、呼吸編、休息編に分かれており、難解な表現も使われておらず、スーと読み進められる。その分かりやすさでつい見落としがちだが、著者は25年間で約10万人のクライアントの健康を担い、その中には多くの超一流と呼ばれる経営者プロスポーツ選手なども含まれている。そうした人の共通点が、「揺るぎない健康を保っていること」に気付いたことが、執筆の理由の一つでもあり、一流を志向するビジネスパーソンの“参考書”としての信頼性も十分にある。

どうにも仕事がはかどらない、仕事中眠くてしょうがない、疲れが全然取れない…。生産性を低下させる要因のほとんどは、出来の悪い上司のディレクションのまずさを除けば、体調の悪さにあるといって間違いない。逆にいえば、体調さえ万全なら、仕事ははかどり、斬新なアイディアもつぎつぎ浮かび、驚くほど仕事の質が向上する。現状打破にビジネス書を読む暇があるなら、まずはオフィスの階段をフル活用することから始めた方がよっぽどいいかもしれない…。

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