ベテラン技術者の活かし方

現役復帰しませんか？

元コックが働きやすい環境を用意し、求人するペッパーフードサービス。http://www.pepper-fs.co.jp/

（株）ペッパーフードサービス（東京都墨田区、一瀬邦夫社長）が、高齢社会のニーズに合った求人を開始した。リタイアしたコック経験者のスキルに着目し、年齢と実力に見合った労働環境を提供する。募集店舗は、立ち食いステーキ専門店の「いきなり！　ステーキ」。

「今回の募集は、プロの料理人がステーキを焼くことで専門店としての品質をキープしている店舗であることから高齢コック経験者を対象としています。通常のレストランと異なり、オードブルやデザート等のメニューがなく、仕事は非常に単純で、ショートタイム勤務も可能です」と同社では説明する。

飲食業は、ハードであることから求人に苦心する店舗も少なくない。テクニックはあっても体力的に続けられず、やむを得ずリタイアしたコックも多い。そうしたことも踏まえ、最大限にスキルを生かせる環境を整え、募集枠を用意。キャッチコピーも「さぁ！あなたの出番です」、「現役復帰しませんか？」と銘打ち、高年齢の元コックを大募集している。

同社創業社長の一瀬氏は、71歳で現役コック。場当たり的な求人でなく、キャッチコピーに込められたメッセージは、同世代のリタイア組に対する社長の率直な思いといえるだろう。同社では、年内30店舗の出店を目指しており、高齢コックの奮起が成功のカギを握るといってもいいかもしれない。

高齢社会となり、70歳を超えても働くことが普通になることが確実となっている日本。そうした中で、現実に、高齢者がどういう形で労働市場にマッチするのか、という課題がある。今回の同社の求人は、ベテランのスキルと求人ニーズに合致したものであり、高齢社会における働き方のモデルケースとなる可能性も秘めており、成り行きが注目される。