
高年収女性は「お金」より「働きやすさ」
高年収女性の価値観
「お金」より「働きやすさ」――。女性の社会進出が望まれる風潮の中、実際に働く女性はどう考えているのか。過去到達年収が400万円以上のキャリア女性に特化した会員制転職サイト「LiB(リブ)」を運営する(株)LiB(リブ)(所在地:東京都渋谷区 代表取締役:松本 洋介)が、働くキャリア女性に対し実施した調査結果から、意外ともいえる実態が浮き彫りになった。調査は、LiBの20代から50代のキャリア女性会員2000人(有効回答数116名)を対象に行われた。

(株)LiB調べ
9割以上が時間のためなら年収ダウン辞さず
働く女性にとって重要な要素、「お金」か「時間」か。この2択に対し、子持ち、子供なし双方の女性とも8割を超える人が、「時間」を選んだ。特に子供のいる女性では、91%が年収ダウンも許容すると答えた。それなりの収入を得ている女性が対象となっていることを考えると、この結果は、稼ぐ代償が、長時間の拘束にあることを裏付ける結果といえる。
2割以上が200万円以上ダウンも許容
注目は、どこまでの年収ダウンを許容できるかという項目。子供なしでは、100万円までが39%、50万円までが29%と、子持ち女性より合計で17%多い、200万円まででは、子なし、子持ちがそれぞれ22%、21%もいる。さらに半分以上もそれぞれ6%、9%もいる。お金で時間の融通が利くなら、大幅な年収ダウンも厭わないという驚くような結果となっている。裏を返せば、職場でバリバリ働くことは、女性としての時間を大きく犠牲にしなければいけないということを表しているといえそうだ。
結婚も出産もその後は「正社員」勤務を希望
では、女性にとって大きな分岐点となる「結婚」、「出産」後はどんな勤務形態を希望するのか。結婚後は63%、出産後は60%とほぼ同じ割合で「正社員」を希望する女性が2位以下を多く引き離し、トップとなった。ちなみに2位、3位も同じで自営業、契約社員だった。この結果からは、収入はとにかく、安定して働き続けられる形態が、ターニングポイントを迎えた女性にあっても重要であることが分かる。この辺りは、昨今の景気情勢が反映されている側面もあるだろう。
職場に満足している女性は4割以下
現在の職場についてはどう感じているのか。働きやすいと「感じる」と答えた女性はわずか39%。その理由については、1位が「希望する働き方をしている女性が職場にいない」(28%)、2位が「同僚や上司が非協力的、理解がない」となった。制度については「充実していない」もあったが17%だった。このことから、制度はそれなりにあるものの、それを有効に活用している女性が少なく、その要素として、同僚や上司の理解がないという実情が浮かび上がる。

現在の職場に満足しない理由:(株)LiB調べ
現在、政府は女性管理職を増やすことに数値目標も掲げ、環境整備を進めている。だが、この調査から浮き彫りなった実態からは、少なくともその方向性と現場の意向が合致しているとは思えない。単なる数字合わせでなく、本当の意味での女性リーダーが育つ土壌ができあがるまでの道のりは、このままではかなり険しいといわざる得ないだろう。