働き方

女性と高齢者が心地よく働く条件とは【瓦の目】

投稿日:2015年10月30日 / by

女性もシニアも働き続けることは困難

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誰もが輝ける社会が実現すれば、日本の未来は明るい。特定の年齢層、性別でなく、老若男女問わず、それぞれが自分らしく活躍する。まさに多様化のキーワードにマッチした理想の社会のカタチといえるだろう。

だが、現実は違う。シニアにとって働き続けるネックの1位は「体力」。2位は「働き口がない」(味の素調べ)。もしも生涯の生活が保障されるくらいのお金があれば働き続けるか、という問いに対する女性の回答のトップは「辞める」が6割強でトップ(キャリアデザインセンター調べ)。シニアにも女性にも働き続けることが困難な状況にあるのが実態だ。

シニアと女性は、今後の労働力不足を補う重要な人材として活躍が期待されている層だ。そのカテゴリーの人材が、心身の部分でこのように後ろ向きな状況では、活躍を期待することは、激励というよりもムチを打つような行為なのかもしれない。一体どうすれば、押し付けることなく気持ちよく働き続けてもらえるのか。

どうすれば、気持ちよく働き続けられるのか

そのヒントは、スポーツにある。スポーツの世界には、年齢別、男女別の大会がある。年齢や性別による体力差を、カテゴリーを分けることで平等にし、より密度の濃い舞台とするのだ。差別ではなく区別。だから、そんな区分けは必要ない、というなら、不利になる可能性があっても自己判断で、境界をまたげばいい。つまり、当人にとって、納得のいく形を提供できる環境をつくればいいのだ。

シニアなら時短や週3勤務、女性ならハードな業務でなく、事務ワーク中心など、それぞれの特性に応じ、力が発揮できる条件で働いてもらう。もちろん、フルタイム希望ならそれはそれでよし。管理職を目指すなら、そうした路線にのり、バリバリと働けばいい。これを不公平だとする層も当然いよう。その場合は、趣旨をしっかり説明し、納得してもらうしかない。どうしても納得できないなら、同様のスタイルで働けばいいが、当然報酬の大幅ダウンは避けられないだろう。

万人に平等というのは、どんなに知恵を絞っても不可能といっていい。だから、カテゴリーで分けることで、「差」をなくした上で、能力を発揮してもらう。多様化をキーワードに、さまざま属性の人材が活躍する職場において、こうした人材配置の設計をすることが、今後、企業がよりそのパフォーマンスを発揮する上で重要な取り組みの一つとなっていくだろう。

 

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