働く女性が活躍する3つのポイント
女性の活躍が政府の成長戦略の柱に位置付けられるなど、その台頭が期待される女性ワーカー。いまだ、男性中心のビジネス界で、働く女性が輝くためには、どうあるべきなのか。
「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2014」(日経ウーマン主催)の審査員を務めたジャーナリストの池上彰氏と歴代大賞受賞者で、国際協力NPO「JEN」事務局長の木山啓子氏が、その“処方箋”を示した。
25年前の日経ウーマン創刊を取材したという池上氏は当時を振り返り「いよいよこれから女性の時代が来るんだな、と思ったが、続かなかった…」とクールに回顧。その上で、これからの時代、女性が活躍するための3つのポイントを提示した。
(1) 男性社会の理屈に通った論理を組み立て、話を通す
(2) これまでの規制や慣習を果敢に突破していく
(3) 学びの機会を自ら積極的に発見し作り出す
(1)は、男性社会の中に高度に順応し、理解させる力を持てということ。(2)は、その上で、男性社会の常識や社会通念にとらわれず、突き破って認めさせる行動力が必要ということ。(3)は、そうしたことを実現するためにお仕着せでなく主体的に修練せよ、ということ。25年前は、女性が活躍する機運こそ盛り上がったものの、現場は旧態依然としたままで、女性自身もそこに委縮してしまい、女性ワーカーの台頭にはつながらなかった。
上記全てをクリアし、国際舞台で活躍する木山氏は「日本での出世ルートを見切った優秀な女性が海外で活躍している」と明かしつつ、これからの時代に日本で女性が活躍するための心構えを指南する。
「自己変革力の高い方。フレームワークじゃなく、そもそも変えてしまう力ですね。実はこのことは、問題が外側だけじゃなく、内側、つまり、自分自身も問題の一部になっている場合がある。そういう殻や壁を乗り越えて突き破るくらいに成長することが必要ですね」と木山氏は実体験を踏まえつつアドバイスを送る。
政府が働く女性の活躍を後押しするムードは四半世紀前と変わりはない。だが、いまは少子高齢化により、労働力の先細りという問題が背景に横たわる。女性の活躍が国力の浮沈のカギを握るといっても過言でない状況にある。だからこそ、殻を突き破る女性には大きなチャンスが開けている。男性の理解も不可欠だが、今度こそ、働く女性が輝ける日本への進化へ期待がかかる。