なるつもりはないのですが管理職を打診されました
~仕事・働き方のエキスパートがズバリお応えします~
<質問>
「管理職になるよう打診されたが受けるつもりはありません」
管理職になるよう打診されました。責任は増えるし、実質給与は減るし、受けるつもりはありません。女性管理職って、なる価値はあるものなのでしょうか。仕事にはやりがいを感じていますので、就労継続にはとても意欲があります。(31歳女性)。
【回答】
「得られることは多いですが、それをどう捉えるか…」
こう考えられてしまうことは、既存のマネジメント職や経営者の責任だなあと思います。管理職になることで得られること・メリットを知らないことが起因だと思いますが、それまでの仕事と違い、権限/責任が増える。それはつまり、自分がコントロールできる範囲も増えるということです。
人についても、取り組みについても、自分が「育てる」対象が増えることになります。自分ひとりで仕事を仕上げることよりも、もっと不確実性が増えますし、何かをやるために「我慢すること」や「板挟みに遭うこと」だらけになり、超えなければいけない難関が増えることでしょう。
ただ、これは「仕事を作る」以上、管理職には必要不可欠なこととして世の中が回っています。これを知らないでいいのは、「使われる立場」の人だけです。この方が打診されるということは、それまでの仕事の中で難しいことや大変なことにも取り組んでいるはずで、その中で充実感を得てきたたのだろうと予想します。
管理職になると、それまでにはない難関と充実感を得られることができ、人間的にも成長できる機会があるはずです。それを前向きに捉えられるかどうかが、管理職に価値が有るかの判断基準になるかと思います。
<回答者プロフィール> 河野理愛
1982年生まれ、徳島県出身、慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学在学中の2001年にNPO法人を設立、代表として経営を行う。2005年にソニー株式会社入社。カメラ事業を中心に、経営戦略・商品企画に従事。2011年に株式会社ディー・エヌ・エー入社。ソーシャルゲームの海外展開を担当。2013年3月、コグニティ株式会社を設立。