働き方

女性の再就職が困難なあまりに明快な理由

投稿日:2015年12月11日 / by

相性悪すぎでしょ。再就職を希望する女性と雇用側の意識格差を調査結果が、あまりに無残だ。調査したのは、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション(株)(本社:東京都品川区、代表取締役社長:塚本 良江、以下NTTコム オンライン)と実践女子大学人間社会学部准教授 斎藤明氏。有効回答数は、再就職希望女性304人、企業の採用担当者160人。

まず、再就職を希望する女性で現在未就業の女性が望む就業形態は「希望はない」が38.5%で最多。「正社員で役職なし」が34.9%で続いている。一方、採用側は、「正社員」でかつ「役職がつく職位」での採用も想定。両者の間に大きな溝がある。

求めるスキルについてもミスマッチが生じている。企業側が求めるのは、「コミュニケーション能力」、「ビジネスマナー」などが高い一方で、再就職希望者では、学びたいスキルが「外国語」、「タイピング能力」が多い傾向だが、雇用側が求めるとは相反している。

NTTコムオンライン調べ

NTTコムオンライン調べ

個人の裁量で働ける業務委託についてもミゾが浮き彫りになっている。未就業女性の51.3%が、業務委託で働きたいと希望しているのに対し、雇用側は「この先検討予定」を合算しても24.4%にとどまり、「この先も予定はない」が75.6%で、大きな開きがある。

雇う側と雇われる側に隔たりが生じるのはある程度は仕方がないにしても、女性活躍推進が叫ばれる中でこの結果は、お先真っ暗といわざる得ない。企業にしても再就職を求める女性側も自分の都合を優先し過ぎてている結果に他ならないが、企業が再就職を希望する女性に「即戦力」的なことを期待するのはやや無謀といわざる得ない。

そうした中で、手軽にできる仕事を集約した主婦向けのクラウドソーシングが続々と誕生するなど、労力として女性を活用する動きは着々と進んでいる。在宅専門で派遣社員並みの給与を担保するオンラインアシスタントサービスが誕生し、優秀な女性人材を確保。すぐれたキャリアの掘り起こしに成功している。

企業が、できるだけ売り上げに貢献できる人材が欲しいのは当然だ。だが、再就職を希望する女性になにを求めるかは、そうした意向をリセットして考えた方がいいかもしれない。そうでなければ、女性の労働力は、クラウドソーシング系の手軽なサービスやその他の進行サービスへ流出し、気が付けば人手不足で、会社そのものが傾き始める、ということにもなりかねない…。

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