働き方

女性が上を目指す社会は到来するのか【瓦の目】

投稿日:2015年8月28日 / by

なぜ女性は出世したくないのか

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(株)クロス・マーケティングの調査によると20代女性の出世欲はわずか6%。あくまで数字だけからみて、確実にいえるのは、会社に入った目的が出世ではないということだ。では何のために就職したのか…。妥当な線では、「とりあえず」というのが実状だろう。政府が女性管理職を2020年までに30%と掲げている状況を踏まえれば、そのターゲット年代とはいえないものの、残念な結果といえる。

男性中心社会にあって、「女性が戦力として重要でない」というのはいまは昔。労働力が減少フェーズにあることはもちろん、男性中心ではもはや限界がみえていることがその大きな要因だ。出産・子育て等による離職が当たり前では、もはや会社は立ち行かないといっていい。そもそも、“仕事人間”である意味が薄れており、それに代わる価値観を生み出せなければ、企業も優秀な人材を確保できず、未来展望さえ描けない。

どうすれば女性の出世欲は高まるのか

その意味では、20代女性の出世欲の低さは、出世という評価そのものの形骸化を暗示する結果と捉えることができるかもしれない。女性管理職が多数派になってくれれば、マネジメントのベースが変わり、働き方の多様化促進につながるという見方がある。一方で、そもそもなりたがる人がいないのだからその道は困難、という考え方もある。まさに卵か先か鶏が先かの議論そのものだが、どちらかに舵を切り、動かさなければ、ズルズル行くことは避けられないだろう。

こうした情勢の中、昨今、ハイキャリアの女性を対象にした転職ビジネスが活況を呈している。それは、相応の報酬に時短勤務や週休3日などの働きやすい条件を揃えた求人を豊富にラインナップすることで、女性の仕事と家庭の両立をキャリアダウンせず可能にしているからだ。いまいる会社でなく、他社へ理想を求めるのは皮肉でもあるが、こうしたサービス等により、女性のライフスタイルにマッチした多様な働き方が広がる先に、いまだ発展途上の男女雇用機会均等法の終結があるといえそうだ。

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