働き方

職場に運動のある働き方がもたらす効果

投稿日:2014年2月26日 / by

働き方で運動不足を解消する新サービス

オフィスは業務をする場所。疑いのない事実だが、だからといって勤務時間の大半をイスの上で過ごすと健康にとって様々な悪影響があると聞くとどうだろうか…。知らぬ間に危険にさらされている内勤ワーカーの健康を維持すべく、オフィスプランニングによって働き方を改善する新たなサービスが誕生した。イトーキの「ワークサイズプランニング」だ。

ワークサイズとは

働き方の改善によるオフィスワーカーの健康増進――。オフィスでは椅子に座ってPCに向かい、業務を進める。それが常識。そのスタイルを改める発想すらないだろう。あってもせいぜい、疲れにくく仕事をする工夫といった程度のことだろう…。

ワークサイズプランニングは、オフィス空間創りの中で、オフィス家具・事務機器の配置やオフィスレイアウトの運用等を通じ、オフィス空間に巧みに運動機会を取り入れることで、働きながら健康になることを目指す新しいソリューション。「ワークサイズ」とは、「ワーク」と「エクササイズ」を組み合わせた造語で、イトーキと(独)国立健康・栄養研究所の宮地元彦氏の共同研究から生まれた。

ワークサイズプランニングではまず、働き方の現状を調査することからスタートする。その上で、働き方の課題を分析し、健康度を評価。その結果に応じ、必要な種類と量のワークサイズが起こるオフィスプランを作成する。

イトーキのワークサイズ

ワークサイズ導入フロー

例えば、運動量が極めて少ないと診断された場合には、活動強度の高い「歩く」行動を増やすことで脂質代謝を促す。そのためにオフィス内に長めの廊下を設置する。内勤ワーカーの座りっぱなしに対しては、スタンディングデスクの設置や普通のチェアでは出来ない多様な座り方のできるチェアを用意し、ながら運動やストレッチを促すことでエネルギー消費や疲労を軽減する。

運度とはちょっと違うアプローチとして、フリーアドレスの導入もある。部署の垣根を越えた気軽なコミュニケーション空間の設置による心のケアのためだ。その他、無機的なオフィスに緑を設置することによるリラックス効果、照明の明るさや色の時間ごとの変化による体内時計の調整、さらに縦横にラインの入った大型ミラーの設置による姿勢のチェック…など、ワークサイズプランニングでは、仕事空間にさりげなくワークサイズ用の設備を組み込むだけでなく、環境整備等も併せて行うことで課題に応じた最適なオフィス設計を実現する。

経営的観点から健康問題に対処

いずれもちょっとした工夫で同様の効果を得ることもできそうだが、ワークサイズプランニング導入の狙いは、単に仕事の中に運動を取り入れたり、リラックス効果を高めるという単純なものではない。「従業員の管理部門へのヒアリングにより、どんな健康問題があるのかを洗い出し、その中から生産性・リスクマネジメント・医療費コストなど、経営的な観点から重点的に対策を行うべき健康問題を設定。未然に防ぐためのオフィスづくりを目指します」(イトーキ)というように、経営戦略にもつながる取り組みとして、全社的に徹底するための施策と位置付けているのだ。

バカにできない予防効果

実際、健康管理プログラムに1ドル投資すると3ドルの医療費抑制効果が上がるという試算がある。健康増進に積極的に取り組む企業は業績が高いという調査結果もある。さらに1日6時間座りっぱなしの生活を続けると、たとえ日常的に運動していても1日3時間しか座らない生活の人に比べ、15年以内に死亡する確率が4割アップするというデータもある。つまり、たかが、仕事中の運動といっても、中長期的にみれば、企業にとって、その効果はバカにできない影響力があるのだ。

ワークサイズ

ちょっとした移動で階段を使うだけでも効果あり

 かつて始業前にラジオ体操を行う企業も多かったように、職場における健康は、昔から意識はされていた。だが、昨今は、そうした意識が薄れつつある一方で、デジタル化の浸透により、内勤ワーカーが椅子から離れる時間がますます減少傾向にある。これまで以上に、オフィスワークで健康を損なうリスクが高まっているのである。同社では、こうした経営課題を解決する新たなソリューションとして、ワークサイズを拡販。初年度の導入目標を30事業所に設定する。サービスの提供価格は、10万円から(対象面積・人数により変動)。なお、サービスはタイプ分類版とオーダーメイド版の2種類が用意されている。

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