
「なるほど」連呼がビジネスでマイナスな理由
仕事のデキを倍増させるマナー術【第三回】
仕事の結果が同じでも、極めて高い評価を得ている人とそうでない人がいます。なぜそんな差が付くのでしょうか。それは、意外にささいなことだったりします。戦略的イメージコンサルタントの西松眞子氏の著書「仕事ができる人はなぜハンカチを2枚持っているのか?」(日本実業出版社)には、成功する人のワンランク上をいく小さな気くばりが満載です。ほんの少しの気くばりで評価をアップする極意とは。同書を参考に、瓦版編集部が、ちょいデキマナーの一端に迫ります。
「なるほど」連呼に潜む、問題とは
「なるほど、なるほどですね」。会話をしていると、「なるほど」を連呼する人がいます。自分の発言を肯定はしくれてはいるのですが、なぜか受け取り側は不愉快に感じてしまいます。それは「本当に理解してくれているのかなぁ」といういらだちが起こるからだと思います。
何を言っても「なるほど」では、もう全てを知っていて何も言う必要がないのかな、そんな風にも感じてしまいます。もちろん、「なるほど」という発言に悪気はないと思います。もしかしたら、何とか会話に食いつこうと、必死で頑張ってくれているのかもしれません。そうだとすれば、もう少し言葉の使い方に工夫をしてほしいものです。
なぜ「なるほど」連呼はダメなのか
なぜ、「なるほど」の連呼はダメなのでしょうか…。
著書の中で西松氏は、その理由を次のように記しています。
「なるほど」には、目上が目下に対して、きみの言うことには納得するよ。「ほう感心したよ」と伝えるニュアンスがある。
西松氏は、こう解説した上で、使い方の工夫として、次のように具体的にアドバイスしています。
「なるほど…おっしゃる通りだと思います」。「なるほど…たしかにそうですね」。「ああなるほど…的確なご指摘ですね」。「なるほど…わたしもそこまでの考えには至りませんでした」。相手の話に本当に共感し、感心したことを伝える言葉を添えるのです。
「なるほど…たしかにそうですね」。思わずそう言いたくなる、アドバイスですね。言われてみれば、本当に相手の言葉に共感したら、「なるほど」に続く言葉は自然に出てくるものです。「なるほど」だけで終わってしまっているということは、もしかしたら、相手の話を十分に理解しないまま、心のこもっていないただのあいづちを打っているだけかもしれません。そうだとすれば、二重の意味で失礼ということになります。
無意識に「なるほど」を連呼していませんか? このような一種のクセは自分では気づきづらいものです。時々、先輩や同僚などにチェックしてもらうのもいいかもしれません。
極意 其の三
◇あいづちの「なるほど」だけでは不快のもと
■「仕事ができる人はなぜハンカチを2枚持っているのか?」(日本実業出版 社)
仕事ができる人は、決してそれが鼻に突くことがない。むしろ、上司、取引先、同僚、部下など、接する相手にさりげなく好印象を与える達人だったりする。その秘訣はどこにあるのか。同書は、イメージコンサルタントの第一人者である著者が、その極意である「ちょっとした気くばり」を59のテーマで紹介。「ワンランク上の気くばり」の身につけ方を教えてくれる。